現在の人文学部は人間文化学科と法経政策学科の2学科からなり、それぞれ人文科学と社会科学の多様な学問分野をカバーしています。また、本学部には、世界的に評価の高い地上絵研究で知られるナスカ研究所をはじめ、映像文化研究所、やまがた地域社会研究所などが附属機関として併設されており、学生は進行中の研究活動や成果に触れることができます。平成29年度からの実施を予定している改組では、これらの研究所は維持したまま、従来の2学科を1学科5コースへと再編する計画ですが、人文・社会科学の多様な分野について質の高い教育を提供するという基本的な使命は従来と変わりません。地方で学ぶ学生たちに、広大な学術の世界への入口を提供することは、地方国立大学の重要な使命です。
わざわざ改組を行うのは、近年、質の高い専門知識の修得にとどまらず、得られた知識を応用し、現実の社会、特に地域社会の中での課題解決へと結びつけるような実践力の養成が、強く求められるようになってきたことによります。今回の改組では、大きく3つの点で実践力の強化を図っています。
1つは学生が自ら課題を設定し、その解決を探る課題解決型の演習科目を全コースで実施するという点です。今後は、教室の外に出て地域の企業や自治体とかかわりを持ったり、友人たちとのグループディスカッションを行ったりする機会が大きく増加します。
もう1つは、文系向けの情報リテラシー教育を充実化して、データ処理・統計学基礎・社会調査法からなる選択必修科目群を整備したことです。
3点目は英語教育です。今回の改組では、地域で活躍できるグローバル人材を育成するため、これまで人間文化学科の一部だったグローバル文化学コースを独立させ、社会科学系の教育も織り込んでグローバル・スタディーズコースを立ち上げる予定ですが、それ以外のコースでも、2年次以後の英語科目を従来よりも増設して全体的に英語教育の充実化を図っています。
他にも細かい点でいろいろな改善が計画されています。とはいえ、大学で学ぶ(また教える)上でのいちばんの基本は、多様な問題意識をもった学生たちと、それを見守りサポートする教員たちとの間での活発なディスカッションにあります。高度な専門教育と今回の実践面・技能面での改革を踏まえつつ、本学部がより活発な知的ディスカッションの場になることを願っています。
山形大学人文学部は、国内有数の人文・社会科学系総合学部です。「人間文化学科」と「法経政策学科」の2つの学科からなり、複雑化する時代の要請に応え、個性的で魅力あふれる大学教育を目指しています。
人間と社会という、切っても切り離せない関係を双方から学ぶことができる多彩な授業と、学生一人ひとりの力を伸ばす少人数教育の中で、文化と社会に対する的確な視点と総合的な分析能力を持ち、着実に行動できる人間を育みます。そんな人文学部がどんな学部か具体的に詳しく知ってみませんか。
文学・哲学・歴史・言語学・心理学といった従来の文学部科目に加え、情報科学・地理学・社会学・文化人類学などを学ぶことのできる「人間文化学科」と、法律・政治・経済・経営・公共政策といった専門領域をしっかりと学び、そこから社会全体を考察する力を養う「法経政策学科」の2つの学科にわかれています。
人間の知的な営みから生まれた多様な文化をさまざまな角度から総合的に学びます。
多岐にわたる専門領域をカバーする教授陣による授業と特色ある5つのコース設定で、人間の知の領域を広く深く探究します。
社会科学系の学問を多面的に学び、専門知識をより一層深めることのできる学科です。
法律・政治・経済・経営・公共政策・国際関係など社会科学全般を学び、2年次からのコース選択でより深く専門分野を極めます。
1年目は充実した基盤教育。2年目は専門教育へのステップアップ。人間文化学科では専修への所属が決まります。法経政策学科では3年目からゼミが開始されます。
所定の単位を修得することによって、中学校教諭一種免許状(国語、社会、英語)、高等学校教諭一種免許状 (国語、地理歴史、公民、英語)、学芸員となるための資格を取得することができます。
※卒業論文の提出は、法経政策学科は選択。
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