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《Part1》人と話すのが苦手だった私がメーカーに就職を決めるまで

人間文化学科で中国史を学んだ中野さんの場合

話し手:人文学部人間文化学科 中野朱理さん

聞き手:人文学部人間文化学科准教授 中村篤志先生

高校生の頃の夢と大学選び

― 内定、おめでとうございます。中野さんの来年からのお勤め先を、読者のみなさんにむけて簡単に紹介して下さいますか?

中野:はい!私が来年から働くのは、アジアを中心にグローバル展開をしているメーカーです。主に作っているのは、自動車のハーネスという部品です。聞き慣れないかも知れませんが、先生の車の窓をあけるのも、このハーネスなしではできないんですよ。

― おお、なんだかもう働いているみたいなしっかりしたご紹介ですね(笑)。中野さんは、人文学部に入学する前から、そうした業種のイメージがあったのかな?

中野:いえ、実は、高校生のころは極端な人見知りで、本ばかり読んでいるような生徒でした。とにかく人と接するのが苦手で、それを克服しようと土日にアルバイトもしてみたのですが、その仕事が自分の将来に結びつく、という感じも持てなくて…。

― へえ、今の姿からはなんだか想像もつかないですね。

中野:そのころから歴史には興味があって、そうした本ばかり読んでいました。人文学部に入学したのも、ナスカ研究のニュースを見て、あ、この大学はこういう歴史の研究が盛んなんだ、自分の興味をもっと深められるかも、と思ったからなんです。

― なるほど、そうすると、将来の仕事のイメージは全くなかった?

中野:歴史の勉強は好きだったので、学校の先生かなーと、ぼんやり思っていたくらいでした。親にも何となくそう説明していたような気がします。

― なるほど、自分の興味関心を追いかける、ということが進学の一番大きな動機だったんですね。人文学部を志望する高校生には結構多いタイプかも、という気がしてきました

進路の決定まで

― さて、そうして入学した中野さんが、2年生の9月から、台湾の銘傳大学に留学することになるんですよね。半年間とはいえ留学は相当な決意が必要だと思うのですが、きっかけは?

中野:一年生の夏に学部の異文化間コミュニケーションに参加し2週間ほど台湾に行きました。気楽に参加したのですが、参加した先輩たちが長期の留学を決断しているのを聞いて、ああ、自分も行ってみたい、これは学生の間にしかできないことだ!と思うと、押さえられなくなってしまいまして。

― なるほど、ここでも興味関心が動機になっているんですね。でも、そこからは勉強がはかどりましたね。東洋史に専攻を決めて、中国語も、HSK5級に合格するまでに上達しましたし。

中野:私の場合は、負けず嫌いなのと、やっぱり自分の関心を追求する、というスタンスだったからこそ、これまで頑張ってこられたんだと思います。

― そういう学生生活を送るうちに、進路に対する意識も変わってきましたか?

中野:そうですね。入学の時に思い浮かべていた教員の道は、やっぱり中途半端な気持ちで目指せるものではないな、とすぐに思い直しました。むしろ、せっかく留学してまで打ち込んだことがあるので、これをいかせる道を考えてみようと。もうひとつ、私は地元で就職したかったので、自動車産業が盛んな土地柄ということで、メーカーが自然と視野に入ってきました。

― 製造業の分野は、今ではアジアでの広がりを抜きに考えられない職種ですからね。でも、実際に就職活動をするのは、結構大変だったでしょう?

中野:大変でした!深夜に、エントリーシートの添削をお願いするメールを出したりして、その節は本当にご面倒をおかけしました。

― いえいえ。あの時は、夜泣きする子どもの面倒を見ながらメール添削という貴重な体験をしましたよ(笑)。

中野:もっと計画的に準備していたらよかったのですけれど…すみません!でも、先生にご指導をいただいて、とても励まされました。あの時は、自己アピールをしなければいけないのにちょっと自信をなくしていて…
 東洋史の勉強は精一杯追求してきた、と思ってはいましたが、周囲の人たちから「それが実際にどう役に立つの?」と言われ続けるとちょっとめげてしまって。採用担当の方に「そうではなくて実際に仕事にいかせるものはありませんか?」とまで言われた時は激しく落ち込みました。

― ああ、それはつらい、人文学部生がよくはまる落とし穴ですね。でも、そこからどうやって復活したのかな?

中野:自己アピールの方針を変えることにしたんです。確かに、ゼミで漢文を深く読み込む訓練をしていても、漢文をビジネスの交渉で使うわけではないですから、「直接役に立ちます!」とはやっぱり言いにくい。でも、自分の読みに弱いところはないか、あるならそれをどう改善すべきなのか、先生をはじめ他の人を説得するにはどう伝えればいいのか、そういった課題意識を身につけることはできました。また、先生のゼミはグループワークなので、先輩・後輩と互いに意見を交換し、より説得力のある答えを見つけ出す過程なども、仕事の現場でも一番通用することだと思ったので、そこをアピールしていくことにしたんです。

― そうしたら、面接官の反応はどうでしたか?

中野:自信を持ってアピールしている態度がよかったのか、とても好意的にうけとめていただきました。ある役員の方からは、「それはトヨタ式の“カイゼン”だね」ともおっしゃっていただいて。

― それはすばらしいですね。企業の方からはそう捉えていただけるのですねえ。

中野:今考えても、先生に励ましていただけたのはとてもありがたかったです。就職支援を専門にする方からのアドバイスも役に立つのですが、やっぱり、何年も近くで自分のことを見ていただいていた先生の言葉は、自然にうけいれることができましたし、自信を取り戻すことができました。

後輩へのメッセージ

― 最後に、中野さんの後輩になるかもしれない高校生のみなさんに、進路を選ぶときのアドバイスをいただけますか?

中野:面白い、関心がある、と思うものを追いかけて大学生活を過ごしたことは、私の最大の強みだと思っています。それが、進路の決定にも繋がったのかな、と。
 中国人と話してみたいと思って中国語の勉強をはじめて、歴史が好きだったから東洋史のゼミにも参加しました。そうすることで、語学力も身に付きましたし、人と接することが苦手だったはずの私が、立場の違う人とコミュニケーションをとる訓練も積むことができました。
 結局、自分の興味のあることを追いかけていくことで、自然と他の分野にも関心が持てるようになるし、自分が苦手だと思いこんでいたことの能力も身に付いていくと思うんです。ですから、自分のやりたいと決めた勉強を精一杯頑張りきるような大学生活を送っていただきたいな、と思います。

― 力強いメッセージをいただきました。その勢いに負けないように指導するから、卒業論文もがんばりましょう!

中野:がんばります!

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