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教員紹介

戸室 健作

TOMURO Kensaku

学科:法経政策学科
メールアドレス:tomuro@
ホームページ:
オフィスアワー:水曜日10:30-12:00
専門領域:社会政策論、労使関係論、労務管理論
大学院担当:社会システム専攻 社会政策論
山形大学研究者情報:http://yudb.kj.yamagata-u.ac.jp/html/100000209_ja.html

※メールアドレスの@以降は「human.kj.yamagata-u.ac.jp」になります。

研究テーマ

  • 労使関係論。 社会政策論。 非正規雇用問題。

論文

  • 自治体委託労働者の労働実態と労働組合の取り組み,山形大学紀要(社会科学), ,2014年07月
    単著
  • 連合山形寄付講座の創設ー山形大学「労働と生活」ー,山形県の社会経済・2013年, ,2013年11月
    単著
  • イギリス地方自治体職場における間接雇用の現況,季刊自治と分権, ,2013年10月
    単著
  • 近年における都道府県別貧困率の推移についてーワーキングプアを中心に,山形大学紀要(社会科学), ,2013年02月
    単著
  • 山形県における労働市場の動向,山形県の社会経済・2011年, ,2011年12月
    単著
  • 製造業における請負労働の過去・現在・未来,山形大学紀要(社会科学編), ,2011年02月
    単著
  • 請負労働者像の考察,経営学研究論集(明治大学), ,2008年09月
    単著
  • 自動車産業における請負労働と分業構造,大原社会問題研究所雑誌, ,2007年08月
    単著
  • 製造現場における暴力と排除,季刊前夜, ,2006年07月
    単著
  • 製造現場における請負労働の作業管理,社会政策学会誌, ,2005年09月
    単著
  • 請負労働の世界を生きる若者たち,教育, ,2005年04月
    単著
  • 電機産業における構内請負労働の実態,大原社会問題研究所雑誌, ,2004年10月
    単著

著書

  • 図説 経済の論点,旬報社,2015年01月
  • 公務員改革と自治体職員―NPMの源流・イギリスと日本,自治体研究社,2014年03月
  • 東日本大震災の地域経済への影響ー企業経営・雇用・金融,山形大学人文学部,2013年02月
  • ドキュメント請負労働180日,岩波書店,2011年02月
  • ノンエリート青年の社会空間―働くこと、生きること、「大人になる」ということ,大月書店,2009年09月
  • 人間らしい「働き方」・「働かせ方」―人事労務管理の今とこれから,ミネルヴァ書房,2009年04月
  • 学ぶ はたらく つながる―格差社会に立ち向かう若者たちへ,かもがわ出版,2008年02月
  • フツーをつくる仕事・生活術 28歳編,青木書店,2007年06月
  • フツーを生きぬく進路術 17歳編,青木書店,2005年04月

学外での活動(高大・地域連携等)

  • 北海道苫小牧東校等学校への出張講義,2010年12月

相談に応じられる分野

  • 労使関係論

インタビュー

 ― : 先生のご専門の社会政策論とはどういう分野の研究でしょうか?
戸 室: 私の研究している社会政策論とは、より良い就業環境をどうやって作っていけばいいのか、あるいは働くことができない場合の生活保障をどのように構築していくべきなのかについて考える学問です。現在、雇用情勢は大変厳しい状況です。「ワーキングプア」や「派遣切り」という言葉が連日のようにニュースで放映されています。あってはならないことですが、社会保険や生活保護などの制度も受けられず、住まいまでも失ってしまう人々がたくさん存在しています。私は社会政策論の中でもとくに製造現場での派遣労働について研究しています。実は、いま「派遣切り」の被害にあっている人の大部分は、この製造業で働いていた人たちなのです。しかし、一昔前は、製造業の労働者と言えば「終身雇用」や「年功賃金」の恩恵を最も受けている労働者だと考えられていました。ですから製造現場での派遣労働について研究することによって日本の雇用制度がどのように変わろうとしているのかを解明しようというのが私の研究課題になっています。
 ― : 今の雇用制度と昔の雇用制度はどのように異なるのでしょうか?
戸 室: 昔の雇用制度では、終身雇用や年功賃金といった制度の下で、従業員に一から技能を教え、長期にわたって育てていく、そうした制度になっていました。少なくとも、そうした雇用制度が理想的な制度として目指されていたわけです。しかし今はそうなっていません。給料が低くて不安定な非正社員をたくさん使っています。そして現在の「派遣切り」のように、ちょっとでも景気が悪くなれば、すぐに企業から追い出されてしまうわけです。人を育てるというよりも、使い捨ての物のように扱われてしまっています。実際に派遣労働者の受け入れ人数を決める部署は人事部ではなく資材部だという企業もあるくらいです。
 ― : 先生は、派遣労働を以前していた人たちにインタビュー調査をしているそうですが、いま「派遣切り」が起きているような状況で、そうした人たちはどのように暮らしているのでしょうか?
戸 室: 派遣の仕事を辞めた後も別の仕事について暮らしていますが、今の仕事も労働条件的にはかなりきつい仕事のようです。これまで話を伺った方の中には、給料が最低賃金を下回るほど低い額だったり、帰宅時間が深夜0時や1時だったり、正社員なのに社会保険が一切つかなかったりといったひどい状況です。そうした中でも、派遣の仕事の時に知り合った友人や、中学・高校時代からの友人との交流が、彼らの心の拠り所となっているようです。飲み会とかライブをやったり、時には釣りに行ったりとかですね。
 ― : なぜ雇用制度が、いまのように変わってしまったのでしょうか?
戸 室: 特に1980年代の半ば以降、日本企業は安価な労働力を求めて中国や東南アジアに進出しました。その結果、日本国内でこれまでのように生産を続けるのであれば人件費をアジア並みに切り下げたいというインセンティブが強まったことが大きな原因だと思います。
 ― : どうにかして「派遣切り」をなくすために中国や東南アジアから工場を撤退させることはできないでしょうか?
戸 室: それは現実には難しいですね。ただし、コストだけを競っているような企業は長期的には生き残ることはできないと思います。これからは、商品の安さではなくて品質の高さ、あるいは新しい商品・サービスの開発といったことで国際競争力を発揮していくことが大切です。そうなれば企業を支えている労働者を物のように扱うことは減っていくのではないでしょうか。また私たち消費者も、ただ安いからといった観点だけで商品を求めるのではなく、その商品の内容などを考えて購入するような意識改革も必要になってきます。
 ― : 先生はどうして「派遣労働」について研究するようになったのでしょうか?
戸 室: 大学院生時代に、知り合いから、たまたま派遣のアルバイトに誘われて、実際にその仕事をしてみました。仕事は携帯電話の組立の仕事だったのですが、工場での様子が教科書に書かれていることとずいぶん違うことに驚きました。教科書では日本の生産現場で働く人たちは多くが正社員で高い技能を持ち、そのおかげで日本の製造業は高い国際競争力を維持していると書かれてありました。ところが私が見た工場の人たちはほとんどが派遣なのです。やっている仕事といえば朝から夜まで電動ドライバーで携帯電話にビスを打ち込んだり配線を基盤に差し込んだりするだけの単純反復作業。どうも製造業の高い利益は派遣のような安価で首切り自由な労働者を活用することによって得られているのではないかと思ったわけです。研究の面白さというのは、このように通説になっていることに対して、事実をぶつけてひっくり返すことだと思います。
 ― : 最後に高校生にメッセージをお願いします。
戸 室: 読書や音楽、旅行、研究、スポーツ、映画…。何でもいいので、とにかく自分が夢中になれるものを見つけて、それを思いっきり追求していってほしいですね。夢中になれるものを見つけることができれば人生は楽しいですし、そう簡単にへこたれることはないと思います。

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