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映像文化研究所

山形映画祭台湾ドキュメンタリー特集 開催報告!

2015年10月28日

山形映画祭台湾ドキュメンタリー特集
「映像は語る――ドキュメンタリーに見る現代台湾の光と影」

 「映像は語る――ドキュメンタリーに見る現代台湾の光と影」を、2015年10月9日から11日まで山形市内の遊学館ホールで開催いたしました。本企画は11本の台湾ドキュメンタリー映画上映と監督トーク、学術シンポジウムによって構成しました。たくさんのご来場、どうもありがとうございました!

山形大学人文学部附属映像文化研究所・元木幸一所長による開会の挨拶。

台北駐日経済文化代表処台湾文化センター・朱文清センター長からのご挨拶。

 最初に登場したのは、10月9日の楊力州監督トーク。楊監督は『あの頃、この時』の秘話を披露し、映画ファンのインタビューで構成された、この作品の魅力と意義を語ってくださいました。聞き手の葉月瑜先生(香港浸会大学教授)は、映画に流されている歌の社会的、時代的な意味について指摘されました。また楊監督は、音楽と歌を通して人々の記憶がどのように共通して呼び起こされるかを熱烈に語り、カラオケバージョンを作ろうかと提案しました。ちなみに、この映画はなんと台湾に先だって山形で上映されたのです!

楊力州監督のトーク。聞き手は葉月瑜先生(右)、進行は秋山珠子先生(左)。『あの頃、この時』の撮影秘話について語る。

 次に登場したのは、10月9日夜の『コーナーズ』の周美玲監督・劉芸后監督トーク。2000年よりも前のことですが、台湾の同性愛者たちは自分自身のストーリーを作品化しようとはしませんでした。これを痛感したことが『コーナーズ』制作につながったと、周美玲監督が真摯に語りました。同性愛者への差別、カンミングアウトできない現実、性愛場面作成などの秘話を、劉監督とともに詳しく説明してくださいました。

『コーナーズ』の周美玲監督(左から2番目)と劉芸后監督(同3番目)。同性愛者の監督として、同性愛者に対する差別問題を提起した。聞き手は藤岡朝子氏(左、山形映画祭事務局理事)、通訳は秋山珠子先生。

 最後は、10月10日夜のマーヤウ・ビーホウ監督のトーク。マーヤウ監督は台湾先住民を取り上げたドキュメンタリー映画、『これぞ人生、これぞアミ族』と『酒宴の男たち』の上映後に登壇しました。そして自分自身はアミ族とよく言われているが、実は「パンツァ」族であることを認識してほしいと語り始めました。これは外部の人々から伺うことのできない、台湾先住民のエスニシティーの複雑さを浮き彫りにしています。この4年間で、映画監督の道から離れて政治活動に転向したマーヤウ監督ですが、漢民族文化の侵入と統治者の一元化された教育政策によって、台湾の先住民が自分自身の伝統文化とアイデンティティを失っていく状況を熱烈に語りました。

マーヤウ・ビーホウ監督のトーク。ドキュメンタリー監督の道から離れて、政治へと身を投じた心境を語り始めました。

 そして10月11日午後開催の、「ドキュメンタリーに見る現代台湾の光と影」シンポジウム。李道明先生(台北芸術大学)、陳斌全先生(朝陽科技大学)、陳儒修先生(国立政治大学)、三澤真美恵先生(日本大学)が順番に登壇し、近年の台湾ドキュメンタリーの特徴について講演されました。シンポジウムの次は監督の大ディスカッションで、楊力州監督、周美玲監督、劉芸后監督、マーヤウ監督が再び登場。近年台湾ドキュメンタリーが劇場へ進出したことによって浮上した問題を取り上げ、劇場上映の是非について真剣に討論しました。3日間にわたって、実りある監督トークとご講演を聴くことができました。本当にありがとうございました。

台北芸術大学・李道明教授(右)の講演。研究者であり、映画監督でもある李先生は、最近のドキュメンタリー映画作品の「小」「軽」「心」という傾向と、資本主義化がもたらした危機について指摘しました。

朝陽科技大学・陳斌全助理教授(左)の講演。2000年までの台湾における、独立系ドキュメンタリー作成の流れと特徴を紹介しました。

李道明先生、陳斌全先生のパネルの司会を担当した、本学の西上勝教授。

政治大学・陳儒修先教授(右)が、マーヤウ監督の先住民映像に潜む記録の本質を分析しました。

日本大学・三澤真美恵教授は、歴史修正主義とドキュメンタリーの記録との連関について指摘しました。

陳儒修先生と三澤真美恵先生のパネルの司会を担当した、本学の大久保清朗准教授。

ラウンドテーブルに登壇した監督たちと、司会の葉月瑜先教授。

劇場上映と資本主義化がもたらした影響について、真剣に討論する監督たち。

 本企画は、山形大学人文学部附属映像文化研究所と台湾文化部が主催したものです。また、公益財団法人りそなアジア・オセアニア財団、山形国際ドキュメンタリー映画祭、台北駐日経済文化代表処台湾文化センターからも、多大なるご支援をいただきました。

【日 時】2015年10月9~11日(入場無料)
【会 場】遊学館(山形県生涯学習センター 〒990-0041 山形市緑町1丁目2-36)
【主 催】山形大学人文学部附属映像文化研究所、台湾文化部
【共 催】公益財団法人りそなアジア・オセアニア財団、山形国際ドキュメンタリー映画祭、台北駐日経済文化代表処台湾文化センター
【コーディネーター】山崎彰教授(人文学部)、中澤信幸准教授(人文学部)、許時嘉准教授(人文学部)、藤岡朝子理事(山形映画祭事務局)

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