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国際交流ニュース

国際講演会「台湾濁水渓地域のジレンマ-社会経済と環境の狭間で-」報告

2015年2月20日

 2015年2月10日に張素玢教授をお招きし、「台湾濁水渓地域のジレンマ――社会経済と環境の狭間で――」と題して講演会を開催しました。張先生は台湾彰化県員林出身、政治大学大学院歴史学研究科博士。銘伝大学、淡江大学歴史学科を経て、現在台湾師範大学大学院台湾史研究所教授兼所長を務めています。専門は台湾の地域研究、郷土史、原住民研究です。近年は環境と人間との共生関係をテーマに、緻密なフィールドワークを通じて台湾の一番長い川、濁水渓周辺地域の300年の歴史を考察し、去年台湾で単著を出版し、好評を得ています。
 講演の冒頭ではまず人文学部長北川忠明教授が開会のご挨拶を頂き、司会の中村篤志准教授が張先生の経歴と研究内容を紹介されました。その後、張教授が中国語で講演を行い、許時嘉講師が逐語通訳を担当し、50分程度の講演が行われました。
 講演は、台湾中部の濁水渓を歴史学的・社会学的・地理学的に分析するもので、世界一の流砂量を有する濁水渓が、豊富な砂金で建築業の発達に役立つ一方、氾濫しやすい性質で水害が頻発し、周辺住民の文化的な営みと集落の形成、各時代の政府の対応策に大きな影を落としているという興味深い内容でした。講演会の後に座談会を設け、吉井文美講師が問題提起を務めました。山形の最上川の事例を紹介し、江戸時代に発達した最上川の運輸業と周辺の都市経済が、明治期に入ってから近代鉄道の整備に伴って衰えたことを提起し、日台比較のアプローチを提供しました。また、水利権の対立や南岸・北岸という地域の違いから生まれる利害対立は、現在の台湾の政治状況と、どのような関わりを持っているのかと提起しました。会場からも、濁水渓の名称の推移とその文化的な意義、濁水渓地域の原住民の対応、原住民と漢民族との関係について質問が出されました。会場には教員・学生40名程度が集まり、有意義な講演時間を過ごしました。
 また張先生は2015年2月9日から15日に人文学部で実施した、台湾国立師範大学台湾史研究所・台湾文学研究所の院生13人を対象とした7日間の日本文化研修の引率を担当しました。一週間の受け入れプログラムでは、張先生は山大・師範大の院生共同発表会と学術講演に参加したほか、師範大生13人と山大生12人とともに山形市内で共同調査を行ない、学生間の親交を深めました。今回の招待事業を通じ、山形大学と台湾師範大学との研究交流・学生交流を一層深化・発展させる環境が整ったと確信します。(担当:許時嘉講師)

講演中の張先生

会場の様子

座談会後の質疑

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