藝術座創立百年記念イベント
藝術座創立百年を迎えて
芸術座創立百年委員会会長 岩町功
 
 抱月島村瀧太郎主宰の芸術座創立百年を迎え、抱月及び芸術座の運動とその理念に思いを致す時、劇団活動は僅か五年数ヶ月でしたが、改めてその業績の大きさと構想の先駆性に感嘆します。
 その一つは経済性(大衆劇)と芸術性(研究劇)を有機的に統合した劇団経営(二元の道)により、日本国中はもとより、台湾、朝鮮、満州(中国東北部)、ウラジオストクにいたる百九十五カ所に巡業し、新劇の普及発展に多大の貢献をしました。その二つは自力で神楽坂にアールヌーヴォー様式の瀟洒な小劇場『芸術倶楽部』を建設し、研究劇や音楽会を開催するとともに他の劇団や文化団体に安く貸し出し、一大文化センターを創出しました。その三つは芸術座の演劇研究所を拡張して、演劇、文学、音楽、造形美術を加えた総合的な芸術大学を構想し、その実現のための十分な資金を計画的に蓄えていました。
 これら芸術座の活動は、現在の新劇団の演劇運動や公私立の文化施設等が当面している課題等をも含む先駆的な内容です。芸術座創立百年に当たり、その活動・理念を考察・発信・顕彰して、広く次代に伝えて行くため、多くの方達のご協力を得て『芸術座創立百年記念イベント』を計画した次第です。
 この趣旨にご賛同賜わり、ご支援ご協力を頂きました皆様及び新宿区、早稲田大学演劇博物館、江戸東京ガイドの会に厚くお礼を申し上げます。
★第Ⅰ部「藝術座の唄をめぐって」
平成25 年10月26日(土)13:30 開演

→ 第Ⅰ部の見どころは こちら

SPレコード鑑賞と講話
関川勝夫

1945年栃木県生まれ。
1961年東京歌舞伎座ではじめて芝居を観て以来、その魅力にとりつかれた市井の研究家。レコード、書籍、映像など資料を収集。
1980年 SP盤による歌舞伎レコードコンサートを開催。SPレコードコンサートを中心に活動。
 
『カチューシャの唄』とその時代
永嶺重敏

1955年、鹿児島県生まれ。東京大学文学部図書室勤務。
図書館の仕事のかたわら、出版や読書の歴史に興味を持ち、最近では流行歌や日本映画の歴史にも取り組んでいる。主な著書『流行歌の誕生―「カチューシャの唄」とその時代』など
 
『ゴンドラの唄』の誕生 ── 劇中歌でたどる『その前夜』劇
相沢直樹

1960年、東京生まれ。山形大学人文学部教授。
ツルゲーネフ研究の過程で、芸術座の劇中歌に関心を持つようになり、2012年に『甦る『ゴンドラの唄』 ─「いのち短し、恋せよ、少女」の誕生と変容』(新曜社)を上梓する。
 
ミニライブ
飯島香織

山形県出身。東京藝術大学声楽科卒業、同大学院修士課程修了したのち博士後期課程において日本オペラの歌唱研究で博士号を取得(音楽博士)。
松田トシ賞、読売新人賞、第71回日本音楽コンクールにおいて木下賞を受賞。
 
ゲスト
栗原小巻

女優。熱狂的な栗原小巻ファンは「コマキスト」と呼ばれ、「サユリスト」と人気を二分した。
代表的な映画作品では『忍ぶ川』『サンダカン八番娼館』などに主演。
舞台ではトルストイ作品の『復活』『アンナ・カレー二ナ』などに主演。
 
★第II部「藝術座が遺したもの」
平成25 年11月2日(土)13:30 開演
 
基調講演:「島村抱月のベルエポック」
岩佐壮四郎

1946年島根県生まれ。関東学院大学教授。
早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。博士(文学)。日本近代文学専攻。
『抱月のベル・エポック』(1998年、大修館書店、サントリー学芸賞受賞)を初めとして多数の著書がある。
 
シンポジウム「藝術座が遺したもの」
岩町功
1929年島根県生まれ。演劇指導者・研究家。
長く島根県の高校演劇の指導に当たり、浜田市の石央文化ホール館長として市民参加創作ミュージカルを企画・上演した。中国文化賞ほか受賞。
島村抱月研究の集大成となる労作『評伝島村抱月』上・下(2009年)を著した。
 
中本信幸
1932年生まれ。演劇評論家。神奈川大学名誉教授。専攻は、ロシア文学・演劇。
2007年、日本の文化勲章に当たるロシア最高のプーシキンメダルを受賞。
『チェーホフの中の日本』を初めとして多数の著書がある。
 
石川利江
ISHIKAWA地域文化企画室。
長野市内で企画事務所とギャラリーを運営。アート・文化の視点からまちづくりのアドヴァイザーなどを務める。
著書に「信州人物風土記 松井須磨子」「信州人物風土記 岩波茂雄」(銀河書房)がある。
 
木村敦夫
1955年生まれ。ロシア文学研究者。東京芸術大学などで非常勤講師。
日本のチェーホフ受容の観点から、ヨーロッパ近代劇が日本に紹介された黎明期に、島村抱月や小山内薫のチェーホフ劇上演活動に注目するようになる。
 
朗読:「人形の家」「復活」
朗読グループ「雁」

白石瑞子の呼びかけで結成。
松本由美子、桐生啓子 小林道子、玉田教子、伊達時枝、伊藤稲子、前田真智子の7人と共に「人形の家」「復活」(各岩町功脚本)を朗読する。
「人形の家」特別参加:木村敦夫。
主催:藝術座創立百年記念委員会
共催:新宿区
協力:早稲田大学演劇博物館/江戸東京ガイドの会
公式サイト
藝術座創立百年

http://geijyutuza100.blog.fc2.com/
会場:
牛込簞笥区民ホール
  新宿区箪笥町15番地
都営地下鉄大江戸線「牛込神楽坂」A1出口より徒歩0分
東京メトロ東西線「神楽坂」2番出口より10分
・チケット
第Ⅰ部:2,000円  第Ⅱ部:1,500円  通し券:3,000円
※9月1日から発売開始
 
・チケット取り扱い
カンフェティチケットセンター
フリーダイヤル:0120-240-540(平日10:00〜18:00*オペレーター対応)
 
・お問い合わせ
サザンカンパニー  03-5227-2772
(月〜金 13:00〜18:00)

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