News 東京新聞で紹介されました
松井須磨子のSP盤コンサート
お申し込みの仕方を改めました
松井須磨子のカチューシャ像の展示(朝倉彫塑館)
藝術座百年記念・神楽坂まち歩き

 

「カチューシャの唄」百年
第Ⅰ部

平成26年10月5日(日)14:00 開演
講演「朝倉文夫と松井須磨子像」
 
明治36年、朝倉文夫(1883~1964)は東京美術学校彫刻科撰科に入学します。
朝倉の追想からは、明治32年に東京美術学校(現東京藝術大学)に塑像科が設置されたものの、西洋彫刻を学び実践しようとする者にとっては課題が山積していた様子が窺えます。そのような状況下で朝倉は、卓越した技巧に基づいて写実を追求し、官展などを発表の場として数多くの優れた作品を制作しました。
大正3年、朝倉は松井須磨子をモデルに《松井須磨子像》(出品時は《扮したるカチューシャ》)を発表しています。この作品は国民美術協会第2回展に出品した大正時代初期の重要作品です。朝倉は須磨子とも交流があり、後年、彼女に関する記述も残しています。
この作品を中心に、明治から大正の朝倉の活動や交友関係を追ってゆきます。当時の作品や記録から、芸術家 朝倉文夫と《松井須磨子像》の魅力に迫ります。

戸張 泰子(とばり やすこ)
2009年より朝倉彫塑館に勤務。保存修復工事、リニューアルオープンに携わり、朝倉彫塑館や朝倉文夫の魅力を発信する。
専門は近代日本美術史。博士(美術)。京都造形芸術大学非常勤講師。
講演「中山晋平、その唄と人生の真実」
 
晋平は一般に音楽を目指して信州から上京したと信じられているが、実際はそうではない。その真実をまず明かす。
そして歌謡・童謡・新民謡の開拓に貢献するも、「東京音頭」の頃を絶頂期とし、その後戦時歌謡についていけず苦悩する。
その苦悩は、戦後まで引きずり、「晋平節」を朗らかに復活することはできなかった。が、その残した功績は大きい。
その人生の秘密をジグゾーパズルを埋めていくように語る。
和田 登(わだ のぼる)
1936年長野県生まれ。信州大学教育学部を卒業。
公立小学校教員を務めながら数多くの児童文学作品を発表。塚原健二郎文学賞、産経児童出版文化賞など受賞。
中山晋平の生涯を書いた「唄の旅人、中山晋平」(岩波書店)などのノンフィクション作品もある。信州児童文学会長、黒姫童話館長。
「カチューシャの唄」百年
第Ⅱ部

平成26年11月9日(日) 14:00 開演
講演「芸術座の近代化路線」
 
黒船の来航以降、日本列島に吹き始めた“西洋”の風。その受容には長い歳月を必要とした。
演劇界で西洋の紹介に努めた劇団の一つが、早稲田大学を背景とする文芸協会である。「人形の家」や「故郷」の上演で、松井須磨子は女優陣の話題をかっさらった。
その須磨子を擁して芸術座を興したのが、同校を退職した島村抱月である。洋行時の体験を生かして大正三(一九一四)年、「復活」を上演した。劇中の「カチューシャの唄」を吹き込んだレコードも幸いし、唄は各地へ広まる。映画会社の日活もフィルムを回す。大衆動員を可能にするマス・メディアの時代―その到来は目前に迫っている。
一方、大きな問題が浮かび上がった。芸術座が提供する近代劇(西洋の演劇)は、日本の公序良俗に少なからぬ影響を与える。公安当局の検閲は、年とともに厳しくなる。
今回は、女優出現、音楽の普及、メディアの効用、検閲、この四点について考える。

倉田 喜弘(くらた よしひろ)
1931年、大阪市生まれ。大阪市立大学経済学部卒業、日本放送協会勤務を経て、日本芸能史を研究。
膨大な新聞雑誌資料、公文書の丹念な調査を元に明晰な分析を加え前人未踏の壮大な研究を成す。本年9月、岩波文庫『江戸端唄集』を刊行。
主な著書に『日本レコード文化史』『芸能の文明開化』『1885年ロンドン日本人村』『芝居小屋と寄席の近代』『文楽の歴史』主な編書に『明治の演芸 1-8』『日本近代思想大系18 芸能』『明治の能楽 1-4』『近代日本芸能年表』ほか多数。
「カチューシャの唄」百年
第Ⅲ部

平成26年12月7日(日) 14:00 開演
パネルディスカッション・SPレコード鑑賞
「カチューシャの唄大流行と大衆の時代」
 
講演シリーズの最後を飾るのは、岩町功、相沢直樹、木村敦夫による鼎談です。
島村抱月の藝術座巡業運営システムを彼の祖父の鉄山経営の視点から解き明かした岩町と、ロシアの作家ツルゲーネフの原作との比較を通して、また「ゴンドラの唄」を初めとする劇中歌を中心に据えて『その前夜』劇を再構成した相沢と、トルストイ原作との比較によって『復活』劇のユニークな大衆性をあぶり出した木村が、「カチューシャの唄」を語り尽くします。
さらにこの鼎談に、邦楽研究家の関川勝夫が百年前のSPレコードを持って参加。話の行方を見ながら、興味深い百年前の伝説の歌声を再現します。
この異色の4人がどのような化学反応を起こしますか、どうぞご期待ください。
岩町 功(いわまち いさお)
1929年島根県浜田市生まれ。九州大学を卒業。
島根県立高等学校にて教鞭をとる傍ら、演劇を指導。退職後は石央文化ホール館長。
現在までに市民参加創作ミュージカルを10本企画、演出。著作に『評伝島村抱月』がある。
  相沢 直樹(あいざわ なおき)
1960年、東京生まれ。山形大学人文学部教授。
ツルゲーネフ研究の過程で、芸術座の劇中歌に関心を持つようになり、2012年に『甦る『ゴンドラの唄』 ─「いのち短し、恋せよ、少女」の誕生と変容』(新曜社)を上梓する。

木村 敦夫(きむら あつお)
1955年生まれ。ロシア文学研究者。東京芸術大学などで非常勤講師。
日本のチェーホフ受容の観点から、ヨーロッパ近代劇が日本に紹介された黎明期に、島村抱月や小山内薫のチェーホフ劇上演活動に注目するようになる。
  関川 勝夫(せきかわ かつお)
1945年栃木県生まれ。
1961年東京歌舞伎座ではじめて芝居を観て以来、その魅力にとりつかれた市井の研究家。レコード、書籍、映像など資料を収集。
1980年 SP 盤による歌舞伎レコードコンサートを開催。SPレコードコンサートを中心に活動。
会場:
新宿区立 新宿歴史博物館 講堂
東京都新宿区三栄町22
     JR・東京メトロ丸ノ内線・南北線「四ツ谷駅」下車 出口2より徒歩10分
東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目 駅」下車 出口4より徒歩8分
都営地下鉄新宿線「曙橋駅」下車 A-4出口より徒歩8分
主催:藝術座創立百年記念委員会
共催:新宿区
協力:江戸東京ガイドの会
参加費:各1,000円(要予約)
 
お申し込み:往復はがきに、参加希望日、時間、人数、住所、電話番号を明記して
 〒162-0825 東京都新宿区神楽坂6-66 サザンカンパニー
までお申し込みください。
 
また,電話での受け付けも行っています(月曜から金曜の13時から18時まで)。
 03-5227-2772(サザンカンパニー/長岡)
 
いずれのイベントも開催日の5日前まで(必着)にお願いします。
 
※当日のチケット販売もあります。
※各回とも,定員を超えた場合は抽選となります。
お問い合わせ 03-5227-2772(サザンカンパニー/長岡)

「カチューシャの唄」百年(リーフレット)
PDFはこちらからどうぞ

 

Topics
東京新聞で紹介されました
 
カチューシャの唄 誕生100年 松井須磨子「歌謡曲の先駆け」
<「東京新聞」2014年10月5日 朝刊

 日本の歌謡曲がちょうど100年前に生まれたのをご存じだろうか。新劇スター女優の松井須磨子が歌った「カチューシャの唄」。波乱に満ちた須磨子の生き方もヒットを後押ししたが、西洋調の薫り漂う曲は三味線などの邦楽が中心だった流行音楽を変え、レコード鑑賞という音楽の楽しみ方を広めた。5日を皮切りに、記念イベントも予定される。日本音楽界の礎を築いた「歌謡曲の元祖」に触れてみてはいかが-。 (藤浪繁雄)
 
 カチューシャの唄は一九一四(大正三)年三月、東京・帝国劇場で上演の舞台「復活」の劇中歌として、主演の須磨子が披露した。翌年、SP盤レコードが「東洋蓄音機(レーベル名オリエントレコード)」(京都)から発売されると、アカペラで歌う須磨子の素朴でどことなく甘い歌声はたちまち大衆に受け入れられる。    
(中略)
 しかし、大ヒットにもかかわらず、カチューシャのSP盤は「最も入手しにくい一枚」とされる。東京・神保町の老舗SPレコード店「富士レコード社」によると、「数年に一枚出回るかどうか」というほど希少。「♪いのち短し/恋せよ乙女…」の歌詞で知られる「ゴンドラの唄」など、ほかの須磨子のSP盤は持っているという邦楽研究家でSP盤収集家の関川勝夫さんも「カチューシャはずっと見つからなかった」といい、昨春やっと手に入れたという。    
(中略)
 活躍したのはごく短期間だが、「元祖歌う女優」として道を開いた須磨子。オリエントレコードを吸収し、須磨子の音源を持つ日本コロムビア(当時は日本蓄音機)は大正や昭和の流行歌を収めたCDを時々出しており、カチューシャはその代表曲となっている。ディレクターの衛藤邦夫さんは「シンプルだけど心に残る曲。主に七十~八十歳代に根強い支持がある」と話す。
 
 芸術座の拠点があった縁で、新宿区などは講演会「『カチューシャの唄』百年」を五日、十一月九日、十二月七日の三回、区立新宿歴史博物館で開催する。
※東京新聞 TOKYO Web より記事の一部を引用させていただきました。
松井須磨子のSP盤コンサート
「『カチューシャの唄』百年」第Ⅲ部にも登場する関川勝夫さんが,松井須磨子の歌声をSP盤で聞かせてくれます。
 
松井須磨子の「唄」
 日時:10月25日(土)17時開演(16時30分開場)
 会場:押上文庫 東京都墨田区押上3-10-9
 料金:3000円(前売り),3,500円(当日) ※お飲物代含む
 お問い合わせ:押上文庫 03-3617-7471,担当(竹下)080-5175-4057
松井須磨子のカチューシャ像(朝倉彫塑館)
「『カチューシャの唄』百年」のリーフレットの左下に示された,朝倉文夫による松井須磨子のカチューシャ像の本物に会えます。
 
  
没後50年 朝倉文夫展 ふたつの故郷―朝地と谷中―
  平成26年9月13日(土)~12月14日(日)
 
当初は展示の予定は無かったのですが、「カチューシャの唄」百年祭にちなんで、展示に組み入れて下さったそうです(感謝!)
藝術座百年記念・神楽坂まち歩き
藝術座跡地、尾崎紅葉旧居など神楽坂の路地や史蹟をめぐります。
 
開 催 日:9月17日[水]・20日[土]・21日[日]・22日[月]・25日[木]
時 間:①10:30〜( 集合10:15)②14:00〜( 集合13:45)(約1時間30分)
集合場所:毘沙門天善國寺境内(東京都新宿区神楽坂5-36)
 
雨天決行
参加費:1000円(冊子付き)
定員10名(先着順)
 
お申し込み
往復はがきに、参加希望日、時間、人数、住所、電話番号を明記して
〒162-0825 東京都新宿区神楽坂6-66 サザンカンパニー
までお申し込みください。
 
お問い合わせ
03-5227-2772(サザンカンパニー/長岡)

 

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