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「9.11」

文責:松本邦彦
(2019年01月24日(木)に増築/最終更新時:2022年03月23日(水)
御意見・御感想は→松本宛メールにて。授業の受講生はWebClassメッセージやWebClass掲示板でも可。

聞き取りに協力してくださった方々に松本からも御礼申し上げます。

「筆名」年度別・五十音順さくいん(敬称略)

2021年度
TKY
2020年度
IIR」「SNK
2018年度
eme


<ニュースをみて>
・2001年当時は35歳ぐらいで教員だった父。天童市在住(2021年度後期・日本外交論2「TKY」さん)
 父は家のテレビでリアルタイムで見ていたらしいが、現実味がなく、「映画の中継をしていたのかと思った」と言っていた。最初は父はテレビで良くあるように飛行機が操縦を間違ってビルにぶつかってしまったものだと思っていたが、2機目の飛行機がビルにぶつかっていった際に異常事態だとわかったらしい。後にテロだと知り驚いたらしい。テロの様子がリアルタイムで放送されたことが驚きだったとも言っていた。
→聞き取りをしての感想:テロの様子がリアルタイムで映されたというのは日本国民にとって非常に衝撃的だったということが改めてわかった。「映画かとおもった」というのは9.11が非日常で異常なことをよく伝えてくれる表現だと思った。自分は今までテレビでテロの様子をリアルタイムでみたことはないのでもし同じようなことがあった際は非常に衝撃を受けるのだろうとも感じた。父の話を聞いて9.11の恐ろしさが改めてわかった。
当時29歳で会社員だった母(栃木在住)/2020年度後期・日本外交史「IIR」さん
 第14回講義《イラク占領と日本》の中の9.11同時多発テロ事件が最も印象的だったのでそれについて述べていきます。

 この同時多発テロが起こったのは2001年であり、私はこの年に生まれ、正確には生まれる前でしたので、実際に見たわけではありませんが、幼いころには何が大体ではあるが知っていました。今回、これについて述べていくうえで母親に聞き取りをしました。

  母は29歳で栃木に住んでいました。会社員として働いている中、この時は当時の家のテレビのニュース速報で見たとのことでした。このニュースを見てテレビ だったとはいえとても衝撃的で、はじめはただの事故かと思ったそうです。この事件はただただ衝撃的で恐怖を感じたそうです。

→「IIR」さんの感想:こ の話は幼いころから知っていましたが、改めて話を聞いたり、資料を見たりするとものすごく大変なことが起こったのだと思いました。これはイスラーム過激派 テロリスト集団によって行われたもので、数多くの命が失われました。もちろんテロリスト本人たちも死亡し、なぜ自分の命を賭してまでテロを起こそうとする のかは今でもわかりません。
 この事件は世界に衝撃を与えたことはもちろん恐怖も与え時だけで、その当時だけでなく、その後にこの事件を知った人 へも恐怖を与えました。日本ではテロは起こることはほとんどないが、海外では日常のように起こっている国も存在するのではないかと思います。この事件は個 人的にはテロ事件を象徴するほど存在感が大きく、私ももう少ししっかり理解しておく必要があると感じました。

 この事件を知らない人はどれだけ存 在するのか疑問に思いました。しかしやはり、現代の若者は知らない人が多いと思うので、戦争を勉強するようにこのような世界的に有名なものの教育はしっか りやるべきであり、知っている人は理解を深めることが今後日本をより良いものに、世界をよりよく平和なものにしていくことにつながるのではないかと考えま す。

<1歳の私>
当時1歳 自分/2018年度後期・日本外交史「eme」さん〕
 9.11テロについて父親に聞いたところ、当時一歳だった自分もテレビでリアルタイムのニュースを見ていたという。父親が仕事 から帰ってきて夕飯を食べているときにちょうどつけたニュース番組で中継をやっていて、一機目の飛行機が貿易センタービルに突っ込んだ直後だった。その 後、二機目の飛行機が突っ込むところをまさに画面越しではあるが実際に見ていたらしい。飛行機が突っ込む瞬間は、それまでおもちゃで遊んでいた自分です ら、幼すぎて中身なんか理解していないのにもかかわらずテレビの画面を凝視していたと父親は話した。
 
 一歳当時の自分が何を考えながらニュースを見ていたかはわからない。しかし、戦争やテロは過去のもの、自分の生きている時代にはもう関係ない話だと思っていたが、テレビで見ていたというのは衝撃的だった。

 当時見ていたテレビの内容は幼すぎてさすがに覚えてはいないが、今見返すと凄惨な事件だったことがとてもよくわかる。人が死ぬ瞬間が動画で、しか もカラーで手に取るように伝わるということに驚きが隠せない。今の十代の人は戦争を知らない世代かもしれないが、自分の生まれた時代にも形を変えたテロと いう戦争がまだ生きていて、メディアによって発信されていることは知っておくべきことだと思った。

<親と子>
当時は生後二ヶ月の新生児だった自分の周囲の人々/2020年度後期・日本外交史「SNK」さん
 講義内で扱われていた9.11のテロについて、自分が生まれた約二か月後ということもあってその当時人々はどう思ったのか気になったので自分の周囲の人々(両親及び親類、専業主婦やサラリーマン個人事業主)から聞いてみた。

  日本では感じることのできない宗教の確執が実際にあること、紛争や対立が実際にあることを生中継とはいえリアルタイムで実感しその後の日本の自衛隊派遣で 日本がどうなるのか不安を感じた、という意見が多かった。特に母は生まれたばかりの自分がいつか兵士となって戦地に赴くのではないかと不安になったらし い。

 実生活には株価の大変動程度で日本に大きな損害はなかったらしいが、遠く離れた日本にもそれだけのショックを与えた参事であることは 言うまでもない。さらに戦争時代の経験のある祖母やその話を祖父から聞いていた母はこのまま自衛隊派遣が進み9条の理念が崩れてしまうとあのむごたらしい 出来事が再来してしまうのでは、あの時の反省が」生かされないのではとも言っていた。自分は9条は解釈を拡大すべきだと考えていたのでそのような話を聞い て、戦争に巻き込まれやすくなってしまう、という点では反対もしづらいなと自分の考えを見直すきっかけになった。

→ 「SNK」さんの感想: 今の時点で日本は既に戦争や紛争に片足を突っ込んでしまっている状態で、ここで集団的自衛権を放棄してしまうのは危険だと思うので、やはり戦力の保持はす べきであると考えてしまうが、何が正しいのかというのがどの立場で考えるのが妥当かという考え方になってさらに混乱してしまっている。
〔※松本注:「戦力」と集団的自衛権とは別件であることには御注意。また、「戦力」の方は現行憲法では明文で保持が禁じられています(第9条の第2 項「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」)。また、「交戦権」も否定しています(同「国の交戦権は、これを認めない。」) これに対して、「自衛権」の方は憲法は明文では否定していません。また、現在の自衛隊は「戦力」に至らない必要最小限の「実力」なので合憲であるというのが政府の主張です。〕

《以上です》