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「日本外交論演習」の記録
2013年度期末論文

 

文責:松本邦彦
最終更新時:2017年10月24日(火)/増築:2017/10/24)

◎期末論文題目リスト(&目標規定文)
《4年生》
「イラク戦争における対米支援」
 イラク戦争開戦から10年が経った。全世界でこの戦争が不当であったという証言や証拠が多く挙げられている。前回のレポートでは、イラク戦争の大義についてアメリカ政府内で行われた情報操作について研究した。その結果、イラク戦争は根拠なき大義に基づいて行われた戦争であったことが明らかになった。
 さらに、イラク戦争では予定されていた復興が難航した。戦闘終結後、アメリカ主導の占領統治に反発する武装勢力の活動によってイラクの治安が急速に悪化したからである。これにより、イラク各地で自爆テロや武装勢力と米英軍を中心とした多国籍軍との武力紛争が多発し、泥沼化した戦争でアメリカ兵4,400人以上、イラク人12万人が命を落とした。
 それにも関わらず当時の小泉政権はアメリカの武力行使を支持し、イラクに自衛隊を派遣した。そしてこの対米追従外交が、アメリカに荷担したと見なされイラク人の反感を買い日本人が犠牲となる人質事件が発生した。
 開戦当時、正しい判断が出来ていたのか。今回、日本政府がどのような大義と動機に基づいてイラク戦争を支持したのかを明らかにした。すると、アメリカが主張する大量破壊兵器問題について何ら疑うことなく戦争の大義として正しいものであると判断していた。さらに対米支援を決定する過程には日米同盟に基づく対米追従外交と湾岸戦争での人的貢献不足を批判されたというトラウマが大きく影響していたことが分かった。そこで、 今後、日本独自の情報を得る手段を確立する必要性と同盟関係に縛られ過ぎない外交を行う能力を身につけなければならないという反省点が浮かび上がる結果となった。
《3年生》
「外交比較により見える日本外交の強みとあり方」
 第二次世界大戦後、世界全体を巻き込んだ冷戦、各国で起きる紛争、そしてそれに伴う核保有の問題など一国では解決できない問題を世界は抱えている。現在、世界は、こうした状況において、いかに関係国と歩調を合わせながら、解決をしていくかが問われている。その際に、求められるのが外交術である。各国の特徴・外交術を比較しながら、日本外交の特徴を確認し、日本の強みを探っていく。そして、これからの世界情勢において日本の外交はどうあるべきかを考えていく。先行論文及び書物、ウェブサイトを読み進めていく上で下記の結論を得た。他国との外交の比較から見えた日本外交の大きな特徴の一つである交渉・対立の回避の姿勢。これによる「ディスカッション型」の討論を軸に日本は、外交を調和の形にもっていくことが民族的にも出来る国であると考えられる。そして、これが日本外交の強みになりうる結論に至った。また、技術面は、まだまだ他の国には劣る部分も多いが、他国の外交のスタイルに合わせたり、小国などに耳を傾けたりすることが出来る可能性がある。少数の意見を積極的に聞き入れ、先進国同士の関係を保つリーダーになることが日本外交のあり方という結論にも至った。 


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