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「日本外交論演習」の記録
2024年度期末論文

 

文責:松本邦彦
(増築:2025年07月22日(火))

◎期末論文題目リスト(&目標規定文)
《4年生》
・「子どもの貧困と大学進学支援」
 日本では、相対的貧困率と呼ばれる、所得が一定基準(貧困線)に満たしていない世帯員の割合が1990年代から上昇傾向にあ り、特に子どもの相対的貧困が深刻化している。現代の日本の子どものおよそ7 人に1 人が相対的貧困と言われており、世界的にみても高い貧困率である。子どもの貧困の深刻化を受けて、2013 年には「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が可決され、2014 年には「子供の貧困対策に関する大綱」が閣議決定されるなど貧困問題解決のための取り組みが増えてきている。一方で、生活保護世帯の大学等進学率は 2021 年で39.9%であり、近年増加傾向にはあるものの、全世帯平均を下回る状況が続いているのである。
 そこで本稿では、特に 貧困状態にある子どもたちの大学進学支援を推進するために必要な取り組みを考えていく。日本の子どもの貧困の現状を明らかにしたうえで、貧困対策と進学支 援策について諸外国との比較を行い、大学進学支援に必要な取り組みとして、学費の無償化、給付型奨学金制度の拡充、親への就労支援の3つを結論とし
たい。
・「カーボンニュートラル実現のために必要な意識改革」
 カーボンニュートラルの実現は現段階において困難であり、将来の実現のためには未来の技術革新に依存するのではなく、現時点で可能な取り組みを重ねることが求められる。特に、国民一人一人の意識改革が鍵となるが、その実現にはSNS の活用が極めて重要である。SNS は、環境問題に関する情報を広範かつ迅速に発信・共有する手段として有効であり、短期間で多くの人々の行動変容を促進できる可能性を持つ。例えば、再生可能エネルギーの活用促進や無駄な消費を削減する方法についての知識を普及させるほか、環境保護に関する啓発キャンペーンを展開することで、広く社会の意識を高めることが可能である。また、SNS を通じたコミュニティ形成は、個々人の環境配慮行動を支え合い、継続性を高める効果が期待される。技術革新だけに頼らず、SNS を活用して意識と行動を変革することが、カーボンニュートラルに向けた現実的かつ持続可能なアプローチといえる。
  ・「若者の貧困と住宅政策の必要性」 
非正規雇用の拡大、ブラック企業の拡大から起こる「ワーキングプア問題」のように、現代の若者は低賃金、低所得状態に陥りやすい状況にある。実際に、国全体の所得や格差が各家庭に平等に分けられているかを示す「ジニ係数」や、「相対的貧困率」の割合は高まっており、若者の生活困窮は深刻な問題となっている。
  しかし、このような現状でも若者の貧困に対する支援策は極めて乏しい状態にある。現代の日本の福祉制度は、一部の高齢者や障害者、児童中心であり、さらに 厳しい審査を通過しなければこれらの支援を受けることはできない。さらに、貧困者を対象とした貧困ビジネスにより、若者を貧困から抜け出せない状況にさせ ているのも事実である。
 このような若者の現状を救うために、今の日本に必要なものは住宅政策の充実であると考える。本論では、若者の貧困の現状と住宅政策を結び付け、さらに、企業における支援の側面も考察した。
 以上をまとめ、日本の若者の貧困と住宅政策の現状について調査し、今の日本に必要なものは、ホームレスの定義の改変、家賃補助政策の充実であるとした。
《3年生》
・「効果的な主権者教育の在り方について」
日本の若者の低投票率の背景には、選挙・政治的関心や政治的有効性感覚の欠如がある。若者の政治的意識を向上させるには、現行の主権者教育の見直しが肝要だろう。文部科学省等も、政治の仕組みを学ぶ受動的な学習に加え、現実の具体的な政治的事象を扱う議論や実践的な学習を広く実施していくことを要請している。それにも関わらず、このような主権者教育が実施されにくい一因としては、日本で長年徹底されてきた政治的中立性の問題があると考えられる。
  政治的中立性を確保しながら効果的な主権者教育を実施する方法を、先進的な主権者教育を行ってきた山形県金山町の事例から考察していく。そのなかで、地域 の課題解決型の模擬選挙は政治的中立性の課題をクリアする方法の一つであるという結論を得た。一方で、先進例にもまだ発展途上な部分がみられ、課題も見つ かった。

・「オリンピック開催と継続的なオリンピック教育」
 オリンピックを開催するにあたって@開催地での負の遺産としてのレガシー・立ち退きやジェントリフィケーションによる住民の犠 牲・環境破壊などの現地問題、A招致や汚職事件を引き起こすスポンサー中心となる商業主義問題、Bボイコットとドーピングによる国威発揚などの国家による 政治利用問題という主に3 つの問題が生じる。
 これらの問題はオリンピックという祝賀ムードの中で「オリンピックだから」という口実をもとに民主主義的なプロセスなどが軽視されて行われることで起き、また人々は祝賀ムード状態・例外状態によって起きた問題に対する追及をしないのである。
  またオリンピック開催する際には各国でオリンピック教育が行われる。オリンピック教育にはオリンピックを開催したことによるレガシーとしてのものとオリン ピックがどこで開催されようとも各国において常に必要とされる常時的なものがある。レガシーとしてのオリンピック教育には直近では2020 年東京オリンピックに行われたものがあり、一
過性のものであるということや内容にも批判がある。
 本論ではオリンピック開催におけるオリンピック問題の現状とレガシーとしてのオリンピック教育の課題を2020 年東京オリンピックのオリンピック教育を中心に述べる。


《以上です》