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ウェブ版『検索マニュアル』第三部
ネット書誌事項を確かめるには
次にウェブサイトについて
最終更新時:2014年5月7日/建築開始:2008年06月02日)
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目次
ウェブサイトとウェブページとの関係について
親サイトの玄関を探そう 
親サイトの玄関ページで調べること  練習問題その1〜3《引用の作法》実習
玄関からのリンク関係を確かめよう   練習問題その4
“化石ページ”に注意
化石ページ、裏ページの引用は?
リンクミスは運営者に連絡を
出典表記の一例  練習問題その5


親サイトを確かめよう
 以上のようにしてウェブページだけを見ていたのではまずわからないのが、ネット書誌事項のうち残された(4)「親サイト」と(5)「サイトの運営者名」です。きちんと調べるのはけっこう骨ですが、手抜きはいけません。
ウェブサイトとウェブページとの関係について
 ここで改めてウェブサイトとウェブページとの関係についての説明をしておきます。サイト site は「拠点、基地」という意味があるように、いくつものページをまとめて成り立っています。ちょうど一つの家の中に客間や寝室、台所などがあるようなものです。
※ちなみに、  --- するのは「誤用」です。「ホームページ」の本来の意味は、「ホームベース」同様、ネット閲覧ソフトを開いたときに最初に表示されるページのことだからです。(誤用も慣例になっているので無下(むげ)には否定しませんが。)
 そして複数のサイトがひとつのホストコンピュータ(サーバー)に入っています。これはアパートのようなものです。政府機関や企業のサイトを除けば、松本サイトが山大人文のサーバーに入っているように、サーバーとサイトの管理者・運営者は普通は別々です。また逆に、複数のサーバーにウェブページが点在していても、それを一つの団体や個人が運営しているのであれば、一つのウェブサイトと見なします。

 さらにサイトとページとの関係も、全ページを同じ個人や団体が執筆・運営しているサイトが通常ですが、一つの家の中に下宿人がいたりするように、一部のページの執筆者はサイトの管理者とは別人の場合もあります。いずれにせよ、そのサイトへの来客に最初に入ってもらうはずの場所は決まっています。それが玄関とも言うべきトップページです。そしてその玄関からリンクが張られている様々な部屋に、来客は招かれていくわけです。

 例えば松本サイトでは、概略つぎのような樹状(ツリー)構成にしています↓。

玄関(トップ)─┬ 既発表論文リスト
                   ├ 講義関係─┬アジア政治・外交論関係
                    │              ├教養・教養セミナー関係
                    │               └教養・政治学関係
                    │    ※ディレクトリは「/kougi」
                    ├ 検索マニュアル関係
                    │    ※ディレクトリは「/manual」
                    ├ 「調査・個人情報・倫理」資料館
                    │    ※ディレクトリは「/ethics」
                    ├ リンク問題資料集
                    │    ※ディレクトリは「/link」
                    └ 電子掲示板
※この掲示板のみ外部の商業サーバーを借りています
 しかし検索エンジンでヒットするウェブページは --- 特に「ロボット型」検索エンジンでの場合は --- だいたいにおいてウェブサイトの玄関ページではありません。ですから、そのウェブページに飛ぶと、いわば他人のお宅の居間や台所に直接テレポートしたような状態になります。その家の主人を捜すには、そこで推理ごっこをするより、玄関に回って表札を見るのが正道だというのは現実社会と変わりません。では玄関に回るには…。
親サイトの玄関を探そう
表札を見るために玄関のトップページを探すには次の二つの方法があります。
(A)戻りリンクをクリックする
(B)URLを短くしてアクセスし直す
  (B)のURL短縮法(ディレクトリ遡及法)については、既に別ページ「トラブル対処法」にて説明していますので、ここでは(A)だけを説明します。

戻りリンクで玄関を探そう

 “戻りリンク”とは、たいがいのウェブページの冒頭か末尾に、
戻る  前へ  トップヘ  表紙へ  フロントページへ  ホームへ
 --- などとあるリンクを指します。もちろん“戻る”リンクだけでなく“進む”リンクも一緒に設けて、サイトの訪問者がウェブページを円滑に閲覧できるようにしているのが普通で、“戻りリンク”はサイトのなかで迷子になったひとのための命綱でもあります。もし見あたらない場合は、別ページで説明の「URL短縮法」を採用してください。

 まずは、このような戻りリンクをクリックしてみましょう。ただし、単なる「戻る」リンクでは、クリック一発で玄関に行けるかどうかはわかりません。論文の「第2章」のページから「第1章」に飛ぶだけかもしれません。飛んだ先よりももっときちんとした玄関があるように思えたら、更に“戻りリンク”を探す必要があります。どこかで“戻りリンク”が途切れたら、やはり上記の「URL短縮法」を使います。

親サイトの玄関ページで調べること
なんとか玄関ページにたどり着いたら、そのページのURLを確認すると共に、正式のサイト名称とサイト運営者名(※2010年02月01日追記:「運営者」と書いていますが、個人ではなく団体のサイトであれば、「運営者」は「運営団体」を指します)を探します。と言うよりも、サイトの玄関ページにはこの二つがきちんと書かれているはずです。
 運営者名は(著者名も)、「Copyright:○○」のように著作権者表示がされているのが手がかりになります。ただしこの「Copyright」表示は日本語サイトでも「Matumoto Kunihiko」のようにローマ字表記にするのが普通なので、日本語ウェブサイトならば当然、本来の「松本邦彦」という「日本文字表記/漢字表記」を探す必要があります。

 また、運営者の詳細については、玄関に「プロフィール/自己紹介」のような他のページへのリンクが設けられている場合が多いので、必ずクリックして確かめます。

 なお、こうして見つけ出したサイトの運営者が(団体ではなく個人の場合ですが)、匿名あるいは仮名だった場合、そして実名であっても問題が無いわけではないことは、先のページ「ネット書誌事項 まずウェブページについて」にてページの筆者の「仮名と実名」について書いたことと同様です。もちろん運営者名も、その詳細もきちんと表示されていないようなサイトは論外です(…が、企業のサイトが意外と自分の団体の正式名称をきちんと表示していないことがあるので困ってしまう)。

 そして運営者名は明らかでも、そのサイトだけでは信頼性の判断に困ったら、運営者の名前でネット検索をしてみるのも手です。しかし、その“風評”もまた信頼性が問題になるので、ネット世界だけに頼らず、印刷世界の“人名事典”などを参照する必要が出てくるのは当然です(ハンドルネームの人名事典は少ないでしょうけど)。

※というところで練習問題《引用の作法》実習票の課題の一つ)です。次の三つのウェブページについて、それぞれの親サイト名(サイトを運営する団体名)を調べてください(ただし日本語表記で)。
練習問題その(1)日本国憲法の誕生
http://www.ndl.go.jp/constitution/index.html

練習問題その(2)活動内容
http://www.udf-jp.org/effort.html

練習問題その(3)野々瀬浩司「受験生のために 大学で歴史を学ぶ意味
http://www.mod.go.jp/nda/obaradai/boudaitimes/btms20100900/nonose20100900/nonose.htm
http://www.nda.ac.jp/ad/boudaitimes/btms20100900/nonose20100900/nonose.htm

 なお、ページの内容から一目で分かるものから、URLから推測しても難しいものへとだんだんと難しくなっていっています。特に、その(3)の「受験生のために」については、別ページにて紹介したテクニック「URL短縮法」が必要になるでしょう。
玄関からのリンク関係を確かめよう
 さて以上で親サイトの確認ができれば、これでOKと行きたいところですが、ネット世界では100%OKとは行きません。見つけたウェブページが、親サイトからどう位置づけられているのかを確かめておく必要があるのです。
※そこで練習問題その(4)です。先ほど親サイトの玄関ページを見つけたばかりですが。
野々瀬浩司「受験生のために 大学で歴史を学ぶ意味
http://www.mod.go.jp/nda/obaradai/boudaitimes/btms20100900/nonose20100900/nonose.htm
http://www.nda.ac.jp/ad/boudaitimes/btms20100900/nonose20100900/nonose.htm
※先ほど見つけた親サイト玄関ページからこのページまでのリンク関係も調べてみましょう。けっこう手間取りますが、URLがヒントになります(別ページ「ネット書誌事項 まずウェブページを調べる」参照)。
“化石ページ”に注意
 なぜなら、先のページ「ネット書誌事項 まずはウェブページ」の「最終更新時」のところで書いたように、そのページが親サイトの運営者から忘れられて化石ページとなっている場合があるからです。

 いつ忘れるのかと言うと、だいたいはウェブサイトの改築や転居の際、または運営者本人の現実世界での卒業や転居の場合が多いようです。こうした時には手元にある電子ファイルを新たなウェブサイトにアップロードするのですが、元のサイトにあるファイルの削除を忘れると同じファイルが二つに増えてしまいます(これをSF小説の「冷たい方程式」に適用したのが「恐竜の方程式」だった)。

 そして時がたつと、元の住所に残されたページが化石化するわけです。本人は忘れた化石ページであってもロボット型の検索エンジンにはヒットするので“発掘”はできますし、そのページから玄関へもURL短縮法や戻りリンク法によって戻ることができることもあります。しかしその場合でも玄関から改めて(運営者の指示に従って)リンクをたどろうとすると、肝心のページにはどうやってもたどりつかないという不思議なことになるわけです。

 もちろん、運営者がわざと、どこともリンクしていない部屋を作る場合もあります(いわゆる「裏ページ」)。また、単なるリンクミスで玄関から飛べないという場合もあります。しかしリンクミスの場合はウェブページの題名自体はリンク元のページに表示されているので、ページ自体が運営者から忘れられている場合とは区別がつきます。

化石ページ、裏ページの引用は?
 単なる更新忘れのページではなく、運営者が消し忘れていたページを資料として用いるのは(引用の趣旨にもよりますが)著者が撤回、全面回収した本を用いるようなものですから普通はマナー違反です。また「裏ページ」の場合、作成者としては“仲間内だけの秘密の小部屋”のつもりかもしれません。

 しかし引用の価値があるページであれば、“消し忘れページの可能性あり”、“著者は読者を限定しているつもりのようだが、閲覧制限は無い”などと明記して引用しましょう。たとえ著者が「無断引用はお断り」と表示していても、別ページの「引用の作法」にて著作権法を引用して説明したように、「公表された著作物」を著作権法にもとづいて引用するのに遠慮は要りません。

リンクミスは運営者に連絡を
 さて、以上で万が一、消し忘れページやページ同士のリンクミスを見つけた場合はサイトの運営者に、“貴サイトの中で消し忘れかリンクミスとおぼしきページを発見しました”旨を(電子メールで)知らせてあげてください。

 運営者はもちろん助かりますし、世界中の誰かはリンクミスで苦労しているのですから、あなたが知らせることで、次の人は苦労することがなくなります。別ページ「トラブル対処法」の「リンク先転居のお知らせ」の場合と同じく、“情けはひとのためならず”その四 です。それにこの報知は、ネット世界のマナー“GIVE & TAKE”にのっとった行動です。

 また、個人情報を載せた内部向けのページにアクセス制限をかけるのを忘れているような場合にも、管理者に一報してあげるのが(内容にもよりますが)親切ではあります。


出典表記の一例

 以上のようにして判明した“ネット書誌事項”の表記の一例を示しておきます↓。なお、書籍からの引用の場合は、別ページにて、その1その2と実例を示していますので参照してください。
『山形大学生新聞』に御注意ください」(2001年5月22日付
http://www.yamagata-u.ac.jp/jpn/yu/modules/campus3/index.php?id=27
 http://kbweb3.kj.yamagata-u.ac.jp/ren/info/g_koho130522.html
『山形大学』ウェブサイト掲載、最終更新時:不明、閲覧時:2013年4月29日
※ここで練習問題その5:ちょっと難易度は高いかも…
  1. このウェブページのドメイン名は?
  2. このページは山形大学サイトの玄関からは、どのようにリンクされているか?(松本がリンクをたどっているかぎりでは、どうも玄関からはリンク切れのように見えます)


《以上です》 ページの先頭