松本サイトの玄関ウェブ版『検索マニュアル』表紙>本ページ
ウェブ版『検索マニュアル』第二部
より信頼性の高い情報を手に入れるには
最終更新時:2009年12月10日/建築開始:2008年06月02日)
リンクについての方針
第二部 検索エンジンの上手な使い方←戻る
次へ→第三部 引用の作法とは

○信頼できそうなデータを探すための心構え

 別ページ「検索エンジンの上手な使い方」によって、「○○について」の説明がとりあえず手に入りますが、その内容はウェブページによって違っていたりします。どれがもっとも信頼できるデータなのか? 別ページ「ネット世界の特徴」にて各界の不祥事の一端を紹介したように、政府機関も大メディアもいかなる個人も未来永劫(えいごう)にわたって100%信用できるわけではないゆえ、ここでは一般的な心構えを示すことしかできません。しかしあなたがそのデータを手にして悩んだときには少しは役立つでしょう。

その1)そもそも検索エンジンでヒットする情報はあくまで世界の一部であること、さらには検索エンジンが隠しているページもあることに注意しよう(「Google八分(はちぶ)」問題)

※「ググる」という新語も登場してきた昨今、“ググってヒットしなかったのでわかりませんでした”という人も出てきましたが、「甘い甘い甘い」(その3)。「Google八分」とは、ページの内容が論争の焦点になっている場合、一方の当事者の要求に応じて検索エンジンが、そのページをヒット結果から除いてしまうというもの(参考書↓)。よって、複数の検索エンジンを使い、古典的な紙の世界も含めて、多元的に探し物をしましょう。
吉本敏洋『グーグル八分とは何か』九天社、2007年、900円→山大図 開架 316.1//ググル
※出版社での書籍紹介九天社
http://www.9-ten.co.jp/bookdata/1469.php
http://www.9-ten.com/bookdata/1469.php
→久天社は2008.06.10付けで「東京地方裁判所民事20部に対し自己破産申立を行い、同日付で受理されました」(同社サイトでの2008.6.12付け「弊社自己破産申立の件」)。「弊社書籍に関する情報やダウンロードデータ等に関しては、http://www.9-ten.com/へデータを移転し、しばらくの間公開させていだたきます」とのこと。買いたい人は急げ! ウィキや在日コリアンについての本を松本も急いで買いました。
その2)伝聞や噂よりも、元ネタに近いサイトで探そう(一次情報への接近)
※とある人物や団体について知りたいのなら、まずはその人や団体の公式ウェブサイトで調べましょう。また、「○○とは」のウェブページが、その説明を何から引用しているのかがわかれば、できるかぎりその出典に遡りましょう。
その3)調べたいことにもっとも関係するサイトで調べよう
※「その2」と重なりますが、要するに“餅は餅屋”ということです。それに、御本人が言いたくないことは御本人以外のサイトで調べるしかありません。
その4)複数のサイトにあたってみよう
※一つのサイトに求める情報が載っていたとしても、喜ぶのは早い。他人の見解は調べる価値があります。もちろん多数決で真贋を判断してはいけませんが。
その5)そのサイト(ページ)が、その情報(事実・意見)をどんな根拠に基づいて主張しているのかに注目しよう
※この「その5」以降は、上記のようにして閲覧したサイトでの主張をチェックする際の心構えです。「事実」に基づかない主張は印象論(または空想)。「論理」が変な主張は詭弁。
その6)重要な情報については“ウラ”をとろう
※「その5」でチェックした「根拠」が正確かどうかを調べましょう。この場合には、別のサイトだけでなく、印刷された書籍・雑誌・新聞なども調べる必要が出てくるかも。
その7)その情報について諸説ある場合は、どんな人がどんな説を唱えているのか、その傾向も押さえておこう
※真実は一つでも、誰が書くかによって主張は異なります。こうした違いの種類と傾向もまた重要なデータになります。あなたはその“違い”を踏まえた上で、自分なりの見解を事実と論理に基づいてレポートで示せば良いのです。
 さて、以上はウェブページ以外の新聞・雑誌・書籍などの「紙」の世界を探索する際にも共通する心構えですが、特にウェブページでは、誰がそのウェブページを書いているのか、そのウェブページがどこのウェブサイトに属しているのかを確かめる手間がかかります。そもそも、そうした「ネット書誌事項」を調べる必要性について、次の第三部「引用の作法とは」にて説明しましょう。
 《引用の作法》実習でアクセスして読んできた人は、“まだあるのか?!”とお思いでしょうが、そうです。「引用」はそれほど厄介な作業なのです。そしてそれをあなたに叩き込んでおかないと、先生は世間の人に笑われてしまうのです。


《以上です》