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ウェブ版『検索マニュアル』第四部
本のリストをつくる方法
   
最終更新時:2019年04月05日/2002年3月29日増築独立)
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○このページ内の目次
  インターネットで本を探す
インターネット上の図書検索サービスを使う
出版社総まとめの検索ページ
分野別の書籍検索ページ
出版社のウェブサイトへのリンク集
インターネット上の図書目録
  活字版の図書目録で本を探す
著者名順・書名順で本を並べている目録


○この第四部の目的
 第一部にて基本的なネットマナーテクニックを頭に入れてもらったところで、ネットを使って本のリストを作りましょう。

 なお、ここでは皆さんが探したい本のテーマがだいたい決まってきているのを前提として説明しますが、テーマ自体で悩んでいるという方には、次のようなレポート作成の入門書も併読してください。

 なお、本のリストに必要なデータ(書誌事項)は、
著者名(編者名、訳者名)、書名、出版社、出版年
 ---- の四拍子です。

インターネットで本を探す
 
検索の秘訣
 インターネットに限らず、電子的な書籍目録の便利な点は、書名や著者名が一部しかわかっていない場合でも、とりあえずは検索ができてしまうことです。とは言え「車」とか「佐藤」だけでは膨大な数の本がヒットしてしまいますから、なるたけ望みの検索結果が出るようにするにはそれなりのコツがあります。

 これは別ページで説明した検索エンジンでの検索語の選び方と重複しますが、ここでも少しくわしく説明します。

(A)検索対象を明確にする

 まずは、自分が何を知りたいのか、特定の本を探すのか、または特定のテーマに関連した本を探すのか等々をハッキリさせます。
(B)検索するために使う語句(検索語)を決める
 一般に検索語が抽象的、一般的、短めだとヒット数が多くなりすぎ(ファウルが増える)、逆に、特殊すぎたり長めだとヒット数が減ります。この“法則”を念頭に置いて、入力が楽で、必要な本を確実にヒットさせるような検索語を考えます。
(C)検索語を変えていく
 検索結果に応じて検索語はどんどん増えていったり、適切なものに変更することになりますからメモの御用意を。

 そして試行錯誤を厭わず、検索語の区切りを変えたり、送りがなを変えたりして検索を繰り返すべし。

※類義語に注意しよう。例えば「民族/エスニック/エスニシティ」「ナチ/ナチ党/ナチス/ナチズム/国家社会主義」等々。
(D)芋づる式に検索してみよう
 そして目当てのテーマの本が見つかった場合、その本の著者を手書きメモなり、別ページの「コピー&貼り付け」の要領で「クリップボード」にコピーしておいて、次はその著者名を検索語欄に手入力なり「貼り付け」なりして検索してみましょう。もっと新しくて有益な本がヒットするかもしれません。同一テーマで新しい本(古い本)が出ていないかどうか等、周辺への目配りが重要になります。

 ここで注意すべきは、コンピュータソフトにバージョンアップ(改版)が、ウェブページに転居があるように、本にも改版があるということです。特に、改正が頻繁にあるような法律の解説書は重要です。改正前の法律の解説書を見つけて“明日の試験はこれで一安心だ”などという悲劇(喜劇?)を演じてはいけません。

(E)検索方法を工夫する(AND、OR)
 さらに、「AND検索」、「OR検索」のテクニックを使います。そのためには検索語が分割できるかどうかも考えてみましょう。

 例えば「国際政治」と「国際 AND 政治」、「日本外交」と「日本 AND 外交」、「国際交流」と「国際 AND 交流」とではヒットする本がかなり変わってくるのはおわかりでしょう。

インターネット上の図書検索サービスを使う
山大図書館のリンク集
山形大学附属図書館
   http://www.lib.yamagata-u.ac.jp/ 
 > 中央図書館 > 便利なWebサイト
    http://www.lib.yamagata-u.ac.jp/mainlib/link/links.html
・出版社総まとめの検索ページ
Pub DB(一般社団法人日本出版インフラセンター http://jpo.or.jp/ )
Books.or.jp社団法人日本書籍出版協会(書協))
http://www.books.or.jp/ 
 「当サイトについて」によると、下記のようにあります。「Books」時代と比べると検索結果の一覧性が減って見にくくなったような(2019/04/05閲覧)。
「Pub DB」は、各出版社(者)から提供いただいている国内で発行された紙の書籍・電子書籍の情報を収録。それを検索できるサイトです。
「Pub DB」の収録データは「出版書誌データベース」 に蓄積した約230万点です。(2019年1月31日に一般社団法人日本書籍出版協会の「Books」の書籍情報を移行しました。)
「Pub DB」は、紙の書籍情報と電子の書籍情報をリンクできる書籍検索サイトを目指しています。
<本の二大取次店>
e−hon((株)トーハン)
http://www.e-hon.ne.jp/bec/EB/Top
 >こだわり検索
  http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Search
※2004年10月5日:リンク先URLを修正。表に表示通りの「SA」のはずが「sa」と小文字で書いていた。
Honya Club.com https://www.honyaclub.com/shop/default.aspx
(日本出版販売株式会社)
   >詳細検索
https://www.honyaclub.com/shop/goods/search.aspx?cat_t=00&cat_p=00&search_detail=true&sl=x
http://www.honya-town.co.jp/hst/HTinput
http://www.honya-town.co.jp/servlet/jp.co.honya_town.p3.HSinputServlet?isc=999999&iqm=2
<書店によるもの/五十音順>
Amazon.co.jp
http://www.amazon.co.jp/
Kinokuniya Book Web(紀伊國屋書店)
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/
bk1(株式会社ビーケーワン)
http://www.bk1.co.jp/
・分野別の書籍検索ページ
  専門図書館同様、得意先を絞り込んだサイトも多々あります。
政府刊行物関連書籍search(全国官報販売協同組合(全官報))
http://www.gov-book.or.jp/asp/Book/BookList/?op=1
http://www.gov-book.or.jp/kensaku/index.html
http://www.gov-book.or.jp/cgi-bin/bookmain2.cgi
田舎の本屋さん(社団法人農山漁村文化協会農文協))
http://www.ruralnet.or.jp/shop/index.html
福祉の本出版目録(社会福祉法人全国社会福祉協議会出版部)
http://www.fukushinohon.gr.jp/
日本医書出版協会(JMPA)の書籍検索
http://www.medbooks.or.jp/ ※玄関ページ冒頭に検索窓があります。
http://www.medbooks.or.jp/search.html
地方・小出版新刊ニュース((株)地方・小出版流通センター)
http://www.bekkoame.ne.jp/~much/access/actop.html
○出版社のウェブサイトへのリンク集
 初心者にとっては意外かも知れませんが、出版社は理系から文系まで、また子ども向けから大人向けまでの本まで網羅して発行している小学館、講談社、集英社のような“デパート”ばかりではありません。上記にて分野別の検索サービスを紹介したように、出版社にはそれぞれ得意分野があります。むしろ数的には“専門店”となっている出版社の方が多いでしょう。更には特定の思想的立場を有する出版社もあります。ということは、その分野で定評のある出版社の目録を一覧するだけでも、その分野の現状はだいたい把握できるということになります。

 出版社のウェブサイトへは、直接検索エンジンで検索をかけるか、以下に紹介するリンク集を用います。ただ、それぞれのリンク集は出版社すべてを網羅しているわけではないので併用しましょう。

Yahoo! JAPAN 冒頭の分野別リンク集
 ホーム > ビジネスと経済 > ショッピングとサービス > 出版
 http://dir.yahoo.co.jp/Business_and_Economy/Shopping_and_Services/Publishing/
Books
 >(社)日本書籍出版協会 会員出版社一覧
http://jbpa.or.jp/outline/member.html
http://www.jbpa.or.jp/member/frame.htm
TRC
 >日本国内の出版社
  http://www.trc.co.jp/trc-japa/guide/publish.htm
本やタウン
 >出版関連リンク集
    http://www.honya-town.co.jp/hst/HT/kanren/link/link.html
  https://www.honya-town.co.jp/P3/CM/html/guide/link/link.html 
政府刊行物
 >関連出版社サイト
http://www.gov-book.or.jp/asp/Contents/Syuppan/?op=1
http://www.gov-book.or.jp/syuppan/index.html
   http://www.gov-book.or.jp/url/url.html   
○インターネット上の図書目録
 これまで紹介してきた検索サービスは図書館や業界団体や出版社が無償で提供しているものですが、インターネットの世界で手に入る図書情報はそれだけではありません。奇特な人々が、“GIVE & TAKE”というグローバル・スタンダードにのっとって様々な情報を加工・編集し、他の人が(無償で)使えるようにネット上に置いてくれているのです。“情けはひとのためならず”その弐です。

 本マニュアル第二部「検索エンジンを使う前に」の「リンク集を使おう」でも、そうしたウェブページを利用することになりますが、ここでは図書目録のインターネット版を集めてくれているページを紹介しておきます。これは活字版の書籍目録と同様、テーマごとに絞り込んで掲載されているのがメリットです。

生成する目録(作成者:岡本(おかもと)(まこと)
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/BIBLIO/ 

  ここは「WWW上で公開されている有用な文献目録、著作目録の所在情報をリンク集の形で提供」するもので、1998年12月から開設され、2001年12月31日更新による収録目録数は744となっています(2003年4月8日閲覧時)。なお岡本氏によるウェブサイト ----
アカデミック・リソース・ガイド(ARG)
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/ 
 ---- も調べものには有益です。
※「生成する目録」には松本作成の目録も載せていただいています。
活字版の図書目録で本を探す
 
 これまではインターネットやCD−ROMなどの電子版の目録を紹介してきましたが、一覧性や検索のしやすさでは劣るものの、どこにでも持ち運べて、すぐアクセスできて、(自分のものなら)書き込みも自由にできる…という活字版の目録のメリットも捨てがたいものがあります。そこで一通りの説明をしておきます。
図書目録の置き場所
 
 どの図書館でも目録は重要なものとして位置づけられていますが、山大図書館の場合、1階のメインカウンター前の書棚のところに図書目録のコーナーがあります。また1階奥の参考図書(辞書・事典・辞典・年鑑など)のコーナーも重要ですので、とにかく二回三回とざっと見回ってください(1回だけだと見落としがある)。
図書目録にはどんなものがあるか
 
 一口に図書目録と言っても、上記に紹介したネット上の「生成する目録」同様、目的やテーマ別に様々なものが作成されています。個人で買うには高すぎるものが多いのですが、それらは図書館にて閲覧しましょう。また、一方でほとんど無料かつ容易に手に入るものもあります。

 また、上記の『研究発表の方法』34−35頁でも『日本件名図書目録』、『BOOK PAGE』、『出版年鑑』という三つの図書目録を紹介しているので、参照してください。


テーマごとに絞った目録を探そう

 自分のテーマに合った目録があると便利です。例えば環境問題では、上記の『研究発表の方法』35頁に『環境記事索引』が紹介されていますが、
石 弘之&東京大学石弘之環境ゼミ『必読! 環境本100』平凡社、2001年、1500円
 ---- のようなブックガイドも毎年出版されています(同書は山大開架所蔵 519.031)。

 例えば国際関係で有名な目録としては、

   『国際関係図書目録 45/94』日外アソシエーツ
 ---- があり、「日本対南北アメリカ」、「日本対ヨーロッパ・アフリカ」「日本対アジア・オセアニア<上> <下>」、「日本対世界」、「諸外国の関係」の計6分冊からなっています(山大図書館だとカウンター前の目録コーナーに配架)。

 また、図書館の参考図書コーナーにある辞典・事典類には必ずと言って良いほど“文献案内”のページが設けられています。そうした事典類の一例を挙げると環境問題では、

 『環境問題情報事典 第2版』日外アソシエーツ、2001年3月、6000円
 ---- があり、世界の地域別・国別のものとして、
平凡社の『エリア事典』シリーズ(アフリカ、アメリカ、オセアニア……)
同朋舎出版の『東南アジアを知るシリーズ』(ベトナム、タイ……)
 ---- などがあります(いずれも山大所蔵あり)。

 こうした事典掲載の目録のメリットは、単に関係書すべてが玉石混淆で載っているのではなく、著者・編者が基礎的・入門的なものと判断したものを選んでくれているという点です。しかし年鑑のように毎年出るものではないため、定評ある本は探せるけれども、新しい本を探すには向いていないのは確かです。そこで毎年出ていて、かつテーマごとに絞っていて、しかも入手しやすい価格の目録を次に紹介します。

手元に置いておきたい図書目録
 以下の『総目録』シリーズは、それぞれのテーマに関係する出版社がまとまって刊行会を作って毎年発行しているもので、生協書籍部や書店のカウンターにて先着順で配布しています。もし品切状態でも、注文すれば一冊300円程度で買うことができます。図書館の目録コーナーにも一部は置いてありますが、廉価ですし、いくらでも書き込みができるように自分の専門関係のものは入手しておくことをお勧めします。

 なお目録の刊行会によっては、ネット上で検索サービスを提供しているところもあります。

・哲学・宗教関係

『心理図書総目録』人文図書目録刊行会
『哲学・思想図書総目録』人文図書目録刊行会
『仏教書総目録』仏教書総目録刊行会
『キリスト教書総目録』キリスト教書総目録刊行会
・歴史関係
『歴史図書総目録』歴史図書目録刊行会
・教育関係
『教育図書総目録』教育図書総目録刊行会
『障害児教育図書総目録』教育図書総目録刊行会
『幼児教育・保育図書総目録』教育図書総目録刊行会
・法律・経済関係
『法律図書総目録』法律書経済書経営書目録刊行会
『経済図書総目録』法律書経済書経営書目録刊行会
『経営図書総目録』法律書経済書経営書目録刊行会
・社会問題関係
『社会図書総目録』人文図書目録刊行会
『女性問題図書総目録』女性問題図書総目録刊行会
『部落解放・人権図書総目録』部落解放・人権図書総目録刊行会
・自然科学
『日本理学書総目録』日本理学書総目録刊行会
・工学関係
『情報・経営工学書目録』工学書目録刊行会
『電気・電子工学書目録』工学書目録刊行会
『機械・金属工学書目録』工学書目録刊行会
『建築図書目録』工学書目録刊行会
『環境・化学工学書目録』工学書目録刊行会
『土木工学書目録』工学書目録刊行会
『理工・技術系 資格試験図書目録』工学書目録刊行会
・農学関係
『日本農業書総目録』農業書協会
・保健・医学・スポーツ関係
『生活・家政学図書総目録』家政学図書目録刊行会
『医学書総目録』日本医書出版協会
『スポーツ・健康科学書総目録』スポーツ保健体育書目録刊行会
・芸術関係
『演劇・映画図書総目録』演劇図書総目録刊行会
『アート&デザイン・ブックカタログ』美術書出版会
・文学関係
『ヤングアダルト図書総目録』ヤングアダルト図書総目録刊行会
『国語・国文学図書総目録』国語・国文学図書総目録刊行会


○著者名順・書名順で本を並べている目録

 上記の『総目録』シリーズも“現在書店で手に入る”本のリストですが、全出版社を横断して一気に探せる活字版の目録となると、従来は ----
『日本書籍総目録』社団法人日本書籍出版協会(書協)、年刊
 ---- が最大最厚最強…だったのですが、2002年5月刊行の2002年版からはついに活字版を廃止してCD−ROM版のみとなり、かつ『出版年鑑』と合体しました。なお、この発行所の「書協」は、先に紹介した「Books」をネット上で運営しているところです。
『出版年鑑+日本書籍総目録』2003年版 本体価格3万5千円
←※2003.5.8『朝日新聞』朝刊記事「出版年鑑が刊行/1年後には自由価格」。
 最新版はCD−ROM版でしか手に入らないとしても、旧版はまだまだ図書館や書店には置いてあり、使いでがあります。“この人の本がもっと読みたい”時には著者索引編を、“目当てのテーマがどの分野別目録に載っているかどうかわからない”時には書名編でテーマが書名の冒頭に来る本を探してみるといった使い方で役に立つでしょう。
新刊図書について知るために
 
 毎月・毎日新刊が出版されていますから、以上で紹介した印刷版で1年ごと発行の図書目録はどうしてもデータとしては遅れ気味になります。そこで新刊情報を知るには、
『これから出る本』(書協刊/月2回刊)※以下では『これ出る』と略
『新刊図書目録』(トーハン刊/月刊) ※以下では『新刊目録』と略
 ---- の二つが必要です。

 それぞれ掲載する出版社に若干の異同があるようですが、山大生協書籍部では前者の『これ出る』を無料配布しています(先着順)。
 
 後者の『新刊目録』を扱っている書店についてトーハンに伺ったところ、山形市内では高陽堂(医学書に強い書店)や遠藤書店、田中書店など支店を含めて10店が扱っているとのことで、まずは近くの書店に聞いてみてください。「目録は全国どこの書店でご注文されましてもご購入いただけます。(新刊図書目録の頒価は350円です)」との由(1999.4.8付け電子メール)。書店を通して、あるいは郵送で定期購読することも可能とのこと。 山大図書館でも両者のバックナンバーが1階の目録コーナーにあります。

 新刊情報については、そのほか書評の専門誌紙がありますが、日刊紙の読書欄はもちろん紙面の広告が手っ取り早い情報源です。行政関係なら、

『政府刊行物新聞』(全国官報販売協同組合(全官報)刊/月2回刊)
  ---- も狙い目です。

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