【授業概要】
・テーマ
資本主義経済の特徴や仕組み。
・ねらい
資本主義経済はどのような仕組みで成り立っているのか,他の社会との違いは何か,資本主義経済の特徴と仕組みについての基礎を学びます。
・目標
1)貨幣の機能や資本の運動を追跡することにより市場経済における人々の行動パターンを概観する。2)剰余価値の生産や再投資(資本蓄積)によって労働のあり方や労働者の地位がどのような影響を受けるかを考察する。3){今年度は銀行資本や商業資本の解説を割愛し}資本主義の,今日までの発展を俯瞰する。
・キーワード
資本主義,価値法則,剰余価値,資本蓄積,金融資本,法人資本主義
【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントによる講述と資料の読み取りを併用する。
前者ではパワーポイントによる解説をプリントの空欄を埋める形で要約を完成させる。後者では新聞記事等資料を読み合わせた上で,要約や疑問点を記したメモを提出してもらう。
・日程
I.資本主義の基本要素
貨幣はなぜ通用するのか,価値増殖の方法にはどのようなものがあるのか?
II.資本主義における生産と流通
価値を形成する労働としない労働の違いは?,好況期と不況期の投資パターンの違いは?,好況がいつまでも続かないのはなぜか?,失業はなぜ発生するのか?
III.資本主義の発展
金融資本,戦後ドル体制,日本経済の特徴(法人資本主義と内部労働市場)
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火3-4,金1-2
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テキストの構成
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章
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テーマ
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キーワード
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1
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04月13日
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オリエンテーション
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2
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04月16日
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I.経済学とは何か
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1
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経済と経済学
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生産手段,生活資料,生産関係
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3
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04月20日
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2
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資本主義の成立
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重商主義,自由主義,「二重の意味で自由な労働者」
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4
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04月23日
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3
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経済学の体系
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三段階論,金融資本,帝国主義
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5
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04月27日
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II.資本主義の基礎概念
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資料読み取り |
加藤榮一「現代資本主義と福祉国家」第1節 |
5
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04月30日
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5
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商品
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価値と使用価値,価値形態,直接交換可能性
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05月04日
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祝日
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(休日)
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(休日)
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8
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05月07日
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6
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貨幣
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価値尺度,流通手段,準備手段,支払手段
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9
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05月11日
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7
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資本−−価値増殖3形式
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商人資本,金貸資本,産業資本
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10
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05月14日
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資料読み取り |
岩井「資本主義は本質的に不安定」 |
11
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05月18日
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III.資本主義の生産
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8
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労働生産過程
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労働の主体性,労働の二重性,剰余労働
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12
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05月21日
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8
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価値増殖
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労働価値説と剰余価値
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6
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05月25日
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経済原論の構成
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『資本論』の価値論と宇野弘蔵の批判
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13
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05月28日
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9
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機械制大工業
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絶対的剰余価値,相対的剰余価値,労働強化
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14
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06月01日
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資料読み取り |
田中洋子「労働の未来」論 |
15
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06月04日
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IV.資本主義の流通
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10&11
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賃金と流通過程
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形式的平等と実質的不平等,流通費用
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16
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06月08日
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12
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資本蓄積−表式
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資本蓄積,再生産表式
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17
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06月11日
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12
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資本蓄積−相対的過剰人口 |
資本構成,資本の絶対的過剰生産 |
18
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06月15日
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資料読み取り |
商品過剰説と資本過剰説 |
19
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06月18日
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V.資本主義の分配と運動 |
13 |
生産価格 |
価値と生産価格,総計一致2命題 |
20
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06月22日
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15
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商業信用
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遊休資金,手形,裏書譲渡,満期
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21
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06月25日
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15
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銀行信用
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割引,利子,一覧払,銀行券
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22
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06月29日
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15
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擬制資本
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資本還元法 |
23
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07月02日
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15
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商業資本
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24 |
07月06日 |
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16 |
景気循環 |
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25
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07月09日
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VI.金融と財政 |
17
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資本主義の発展;金融資本1 |
英型 |
26
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07月13日
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20 |
資本主義の発展;金融資本2 |
独型 |
27
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07月16日
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戦後ドル体制 |
(読み取り)ベーシック・インカム |
28
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07月20日
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株式会社 |
持株会社,財閥,持ち株多数性 |
29
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07月23日
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法人資本主義 |
株式所有の機関化・法人化 |
30
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07月27日
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期末テスト |
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基盤教育222教室 |
7/30は月曜日の授業が行われる
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【学習の方法】
・受講のあり方
まずワープロプリントの冒頭に掲示したテーマ,キーワードをチェック。解説を聴いた後,パワーポイントのスライド資料を参考に,それをまとめたワープロプリントの穴埋めをする。練習問題があれば,解いてみる。
・予習のあり方
テキストを熟読する。
・復習のあり方
穴埋めに再トライして解けなければ,まずパワーポイントのスライド資料を読み直す。それでも解けなければ,テキストを読み直す。テキストのわからない点,講義で省略された点については聴きに来てください。
【成績評価の方法】
・成績評価基準
オンラインテストを通して基本的用語や講義内容の理解を問い,期末テスト(論述式)では理解したことを自ら説明できるかをみる。
・方法
オンラインテスト数回+新聞記事の読み取り+期末テスト(論述式)+平素の成績(若干)
【テキスト】
日高普『経済学』岩波全書,1988
【参考書】
伊藤誠『資本主義経済の理論』岩波書店,1989
山口重克『経済原論講義』東京大学出版会,1985/宇野弘蔵『経済原論』岩波書店,1993
【科目の位置付け】
経済学の基礎科目
【その他】
・オフィス・アワー
月曜日7-8校時
・担当教員の専門分野
経済原論
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