経済理論


安田 均

●授業内容

資本主義経済の特徴と仕組みについて,商品,貨幣,資本という流通形態,景気循環とし
て現れる社会的再生産,利潤をめぐる諸資本の競争の3点から学ぶ。
あわせて,自由主義段階以降の資本主義の発展についても解説する。

●授業計画

 パワーポイントによる講述と資料の読み取り を併用する。
 前者ではパワーポイントによって解説し,合 間に確認問題で復習する。後者では新聞記事 等資料を読み合わせた上で,要約や疑問点を 記したメモを提出してもらう(当日回収,次 週以降に質問に回答)。

I.資本主義の基本要素
 貨幣はなぜ通用するのか,価値増殖の方法にはどのようなものがあるのか?
II.資本主義における生産と流通
 商品の価値と利潤(剰余価値)はどのように産み出されるのか?,好況期と不況期の投資パターンの違いは?,好況がいつまでも続
くか?,失業はなぜ発生するのか?
III.資本主義の発展
 金融資本,戦後ドル体制,日本経済の特徴(法人資本主義と内部労働市場)

  月2 構成 テーマ キーワード
1 05月09日 ガイダンス    
2 05月16日 I.経済学とは何か 経済と経済学 生産手段,生活資料,生産関係
3 05月23日   資本主義の成立 重商主義,自由主義,「二重の意味で自由な労働者」
4 05月30日   資料読み取り 「資本と国家」
5 06月06日 II.資本主義の基礎概念 商品 価値と使用価値,価値形態,直接交換可能性
6 06月13日   貨幣 価値尺度,流通手段,準備手段,支払手段
7 06月20日   資本−−価値増殖3形式 商人資本,金貸資本,産業資本
8 06月27日 III.資本主義の生産 労働生産過程 労働の主体性,労働の二重性,剰余労働
9 07月04日 価値増殖 労働力の価値,剰余価値の京成
10 07月11日   機械制大工業 絶対的剰余価値,相対的剰余価値,労働強化
11 07月25日   資料読み取り 名ばかり管理職
12 08月01日   資料読み取り 「新しい雇用システム」
13 08月08日 (休講) −− −−
1 09月26日 IV.資本主義の流通 賃金と流通過程 形式的平等と実質的不平等,流通費用
2 10月03日 資本蓄積−表式 資本蓄積,再生産表式
3 10月11日 (火曜日) 資本蓄積 資本構成,資本の絶対的過剰生産
4 10月24日   小テスト 流通過程,資本蓄積
5 10月31日 V.資本主義の分配と運動 生産価格 費用価格,前貸資本,利潤率均等化法則
6 11月07日   商業信用 遊休資金,手形,裏書譲渡,満期
7 11月14日   銀行信用 割引,利子,一覧払,銀行券
8 11月21日   続き 発券集中,中央銀行
9 11月28日   商業資本 流通過程の不確定性
10 12月05日   擬制資本(読み取り) 資本還元 
11 12月12日   資本主義の発展;金融資本1 英型
12 12月19日 VI.金融と財政 資本主義の発展;金融資本2 独型
13 12月21日 (水曜日) 株式会社と支配 「所有と経営の分離」,戦間期日本の株式会社
14 01月16日   法人資本主義 株式持ち合い,株式所有の非個人化,法人資本主義
15 01月23日 期末テスト   論述式

●評価方法・基準

◆授業のねらい

資本主義経済はどのような仕組みで成り立っているのか,他の社会との違いは何か,資本主義経済の特徴と仕組みの基礎を学ぶ。

◆履修上の留意点

関連するニュースに接したらメモしておき,読み取りの時などに質問してみると良い。

◆授業前に準備しておく事項

出席は取らないが,読み取り,小テスト等,期末試験以外が評価の6割以上を占めるので,その際の出席,提出には留意すること。

●教 科 書
日高普『経済学』(岩波書店)