市場と組織
 Markets and Hierarchies
 担当教員:安田 均(YASUDA Hitoshi)
 担当教員の所属:人文学部法経政策学科
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
1)労働市場に定着する層が発生したのはなぜかを,勤続昇給の仕組みと理論を通して解説する。2)セイフティ・ネットを例に非正規雇用問題の一端を解説する。
・到達目標
1)日本の賃金制度の仕組みや特徴を適切に説明できるようになる。
2)勤続昇給を経済理論乃立場から適切に説明できるようになる。
3)セーフティ・ネットの仕組みとセーフティ・ネットにおける正社員と非正規雇用の違いを適切に説明できるようになる。
・キーワード
内部労働市場,年功賃金,知的熟練,セーフティ・ネット

【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については,「カリキュラム・マップ」を参照し,よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントによる講述と資料の読み取りを併用する。
前者ではパワーポイントによって解説し,随時確認問題で内容理解を確認する。後者では新聞記事等資料を読み合わせた上で,設問に答える。
・日程
No(水)3-4テーマキーワード配点
1 4月17日ガイダンス  
2 4月24日I.賃金制度 職務給,職務分析,職務評価,先任権 3
3 5月1日  基本給,職能給,職能資格制度 3
4 5月8日 仕事の評価3
5 5月15日 能力主義と成果主義3
6 5月22日 ホワイトカラーエグゼンプション10
7 5月29日 昇給の理論3
8 6月5日 知的熟練5
9 6月12日 異動5
10 6月19日II.内部労働市場とその周辺内部労働市場5
11 6月26日 雇用調整5
12 7月3日 雇用保険5
13 7月10日 生活保護5
14 7月17日 非正規雇用5
15 7月24日まとめ まとめとテスト40

【学習の方法】
・受講のあり方
講義資料の該当箇所に重要な点,わからない点をマークし,レスポンスカードに記す。確認問題があれば,解いてみる。
・授業時間外学習へのアドバイス
事前にアップロードされた講義スライドと,できれば参考文献に目を通しておく。
確認問題に再トライして解けなければ,まずパワーポイントのスライド資料を読み直す。

【成績の評価】
・基準
1)レスポンスカードにより毎回のテーマについて基本的な理解に達しているか,2)読取りテストにより関連する記事を正確に理解し,論点を剔出できるか,3期末試験(論述式)により学んだ知識に基づいて主テーマの内容や意義を適切に文章表現できているか,をみる
・方法
レスポンスカード(3点×7),読取りテスト(3点×3),期末テスト(40点)。

【テキスト・参考書】
参考文献;小池和男『仕事の経済学(第3版)』東洋経済新報社,2005年
プリントに小池の対応章および関連文献を記す。

【その他】
・学生へのメッセージ
90年代の雇用流動化によってかつての終身雇用,年功序列型賃金は崩壊したと言われていますが,実は堅固に残っており,むしろ勤続昇給する正社員としない非正規雇用の処遇格差が一層際立つことになりました。しかも,両者の対照性は「もしも」の時のセーフティ・ネットにも及んでいます。賃金制度及びセイフティ・ネットの両面から現代資本主義が逢着する諸問題を考察します。
・オフィス・アワー
月曜日13:00-14:40。連絡先yasuda@human.kj.yamagata-u.ac.jp

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