第二期山形仙台圏交流研究会第41回研究会

2010年03月10日
10時00分〜12時00分
於;人文学部第2会議室


 山形県村山総合支庁始め自治体から6名前後,人文学部から教員9名,学生2名の参加を得て開催された。

1.報告「白石市の中心商店街調査報告」(村松眞講師)

 白石市の中心商店街は,人口減少,不況による消費低迷という一般的状況変化に加えて,地域固有の,大河原町のロードショップ(ツルハ等)とイオンモール名取の両近接商圏への消費吸収によって相当程度衰退している。すなわち,商店街のサービス,品揃えが低下し,空き店舗が景観を損ねている。
 地元は地域に根ざしたイベントを催したり,城の復元や武将片倉小十郎にちなんだ地域作りを図っているが,商店街活性化には結び付いていない。その遠因は,商工会議所,市役所関連部署,商業関係者の連携不足にある。
 報告者は,再生策として,商店側の個別取り組みと商店街全体の取り組みの有機的結合,商工会議所,市役所関連部署,商業関係者との連携システムの確立を特に強調していた。

2.報告「飯坂温泉と土湯温泉の状況」(村松眞講師)

 福島市近郊の2つの温泉を調査した結果,温泉地の場合,旅館業界の自我の強さと業界内部の対立のために,上の報告でも指摘された連携(個別と業界の有機的連携,商工会議所や市役所等公的連携)の不足が際立ち,低迷に拍車がかかっている,全体的利害に立った連携体制の構築が第一の課題であるとの,報告があった。

3.報告「地域作り研究会と仙山交流について」(須田隆史,庄司美穂)

 研究会を代表して学部生の須田,庄司が研究会の活動を報告した。
 2009年11月に発足した地域づくり研究会は,現在学生10名,指導教員5名(村松,北川,立松,下平,山田)よりなる。
 同会の活動理念は「地域づくりに関する学習会・調査・研究・具体的な取り組み等を通じて,地域活性化・地域振興・地域再生等について考え,実践できる人材を育成すること」にある。
 この間の主な取り組みは,蔵王温泉開湯1900年祭(今年)への取り組み,長井市と人文学部との連携協定に基づいた地域づくりへの協力,宮城県七ヶ宿町の地域づくりへの協力,モンテディオ山形ホームゲームでのおもてなし事業である。それぞれについて,実際の取組内容が紹介された。

その他 

 下平裕之准教授より全国の街づくり担当自治体職員の交流会「風のたよりin TOKYO2010」の紹介があった。

 石川由美村山総合支庁観光室長より,去る3月2日実施された「まちなか歩きワークショップ」について報告紹介があった。まちなか観光の手法を考え,具体的活動に結びつけるため,商業・観光業者,行政担当者,学生が山形中心市街地を実際に「まちなか歩き」して意見を交わした(山形まちなか巡りマップ)。その後,「長崎さるく博06」を手がけたフリープロデューサー茶谷幸治氏による講演があった。

 村松講師より宮城大学との共同研究会に向けての取り組みについて途中経過が報告された。


 次回は開催は4月7日10時からの予定です。参加を希望される方は安田均(023-628-4270)までご連絡下さい。