松本サイトの玄関時代の記憶>本ページのURL:

「2021年10.31総選挙」

文責:松本邦彦
(2022年03月23日(水)増築/最終更新時:2022年03月23日(水)
御意見・御感想は→松本宛メールにて。授業の受講生はWebClassメッセージやWebClass掲示板でも可。

聞き取りに協力してくださった方々に松本からも御礼申し上げます。

「筆名」年度別・五十音順さくいん
(敬称略/アルファベットの方は名前のイニシャルから松本が命名したので、読み方が違うかも…)

2021年度
HSS


<居酒屋にて>
・2021年10月総選挙当時のバイト先にて(2021年度後期・日本政治論「HSS」さん)
 2021年総選挙当時、バイト先(居酒屋)のおばあちゃんは68歳、おじいちゃんは74歳、お客は40~50代。同級生の友人は19歳で大学生。

 今回、ちょうど2021年10月31日に衆院選があり、授業でも日本政治を勉強していた。また、私の地元は岩手県なのだが、山形県で初めて迎える国政選挙ということで、山形県民の反応を他県民の視点から書いていこうと思いペンをとった。

 私は居酒屋で働いているが、選挙が近くなると選挙の話も(意外にも)聞こえてきた。特に印象的だったのが、山形駅前で遠藤利明議員の演説があったようで、お客さんが「遠藤利明の演説やってたぞ」と話をしていた。バイト先のおばあちゃんが「利明さんか!」と遠藤利明さんが親戚のおじさんかのような口ぶりで答えた。
 今回は誰に投票しようかという話になり、おばあちゃんが「やっぱり利明さんだよねぇ。オリンピックの大臣もやってるし!」、おじいちゃんが「そりゃそうだ!」、お客さんが「利明しか居ねえべ!」という話になった。他の酒席でも、「利明」と言う声がよく聞こえた。県外民の自分にとっては、遠藤利明議員について全く知らなかったが、中高年以上の山形市民にとっては、遠藤利明氏の知名度が圧倒的で絶対的な安定さがあるのだと思い知り、今回の遠藤利明議員の得票数も納得した。

 もう一つ驚いたのが、選挙に行くと割引になるという「選挙割」があることだ。県外民の私にとって、選挙に行くとこのような特典があるなんて!と衝撃を受けた。酒田市の友人が、「『センキョワリ』があるから『ヒラボク』行こう」と誘ってきて、何の話をしているのだろうと疑問に思った。そうしたら、酒田市では選挙割というものがあり、投票証明書をレストランの「平田牧場」で提示すると格安で食べられるという制度があったのだ。平田牧場のとんかつは、是が非でも投票したくなるほどとても美味しく、酒田市や平田牧場も上手なキャンペーンをするものだと感心した。

 最後に、選挙当日についてである。私は、近くの小学校に朝早く投票をしに出かけた。そうしたら、朝早くなのに(朝早くだからこそか?)投票に訪れている人が多かった。それも家族連れがとても多かったのだ。祖父母−父母−幼い子供、父母−幼い子供といった家族構成のグループが多かった。私は、小さい頃に両親とともに投票に行ったことはあまりなく、一緒に行ったとしても、誰も投票所に人がいないということが多かったので驚いた。家族で投票に行くことで、「選挙に行くのが当たり前」という意識が小さい頃から刷り込まれているのではないか。それで、三世帯家族の世帯率も全国一でもある山形県であるから、全体の投票率も上がるのではないかと思った。

 上記の選挙割と家族での投票参加の土壌もあるからか、今回の衆院選の山形県の投票率が64.34%と全国一(2017年衆院選、2019年参院選も全国1位)の理由も分かったような気がした。実は私の地元の岩手県も、2021年衆院選5位、2019年参院選2位と投票率が高いようで、その理由や取り組みを調査・考察してみたいと思っている。

 同じ東北地方であるが、自分の地域とはまた違った土壌や地域性、政治があることを、この衆院選で知ることができた。



《以上です》