目次共用施設のパソコンを使うには
共用施設のパソコンの利用上の注意禁止事項:インストール禁止、ハードディスク変更禁止外部記憶媒体を持参しよう
コンピュータウイルスに注意
インターネットのリンク先にも注意
学内・学外には様々な共用パソコンがあり、それぞれ利用の仕方(特に電源の入れ方・切り方)が異なります。まずはそれぞれの施設の注意書きや説明書をよく読んでください。電源の切り方、ボタンの押し方一つでコンピュータは呆気(あっけ)なく壊れてしまいますので。◇共用施設のパソコンの利用上の注意以下ではどこの共用施設を使う際にも、事前に知っておくべきマナーを説明します。
○禁止事項:インストール禁止、ハードディスク変更禁止◇外部記憶媒体を持参しよう通常、共用パソコンに利用者が勝手にソフトを導入(インストール)したり、設定(Windows だと「コントロールパネル」)を変更することは禁止されています。また、あなたがパソコン上で使うファイルの保存/読み出しも原則的にハードディスク以外の外部記憶媒体(リムーバブルディスク)つまりUSBメモリーやフロッピイディスク、CD、MO、DVDなどが相手と考えてください。
たとえ、“このソフトがあると便利”、“この設定なら他の人も助かる(はず)”という親切心からであっても、“万が一壊れても自分なら直せる”などという自信があってもダメです。その親切心を良しとして認めていたらすぐにハードディスクはソフトや画像・動画のファイルで満杯になります。そして故障した場合、自信と技量とは別物なので十中八九あなたには直せません。おまけに自宅のパソコンとは違って、ネットワークでつながった他のパソコンにまで被害を及ぼす危険性もあります(そして、それらはあなたの私物ではない)。
現実には、図書館の開架の本の並べ方(参照:第四部「図書館で本を探そう/本の並べ方、見つけ方」)と同様、違反者は続発し、かつ違反者(自称「慣れた人」)の生半可(なまはんか)な操作により故障も多発し、他人が迷惑しています。
もし今後も違反が続くようであれば、監視・摘発・処罰の強化か、そもそものダウンロード禁止の強制が実施されかねません。自制願います。
※大学での各共用施設のルール違反者は、規則違反として学則上の処分対象になる場合があります。施設によっては監視カメラとビデオあり。
だいたいどこの共用施設でもパソコン上で得たインターネットでの検索結果などの情報を、上にも触れた外部記憶媒体(リムーバブルディスク)に保存して持ち帰って自分のパソコンで利用できます。ではどんな記憶媒体を持参するかというと、当然ですが自分用のパソコンと共用パソコンとの両方で使えるものが良いわけです。◇コンピュータウイルスに注意
※フロッピイディスクの場合、華奢(きゃしゃ)な作りで、埃(ほこり)と磁気にも弱いため、プラスチックケースに入っているものを買うのが無難です。ラベルを貼る場合でも、貼る前にラベルに題名(使い道)を書くようにしましょう(貼ってから書くと、ペンの筆圧でフロッピイを壊しかねないため)。
共用施設を使うのに便利なのが上記の外部記憶媒体ですが、これが「コンピュータウイルス」の媒体にもなることに注意してください。◇インターネットのリンク先にも注意感染したメモリーやディスクを使っている人には発熱や咳などの自覚症状はありませんが(当然だけど…)、そのメモリーを方々のコンピュータに差し込んで使っているうちに、それらのコンピュータが感染、発症してしまうのです。症状は様々ですが、最悪の場合、コンピュータの中のデータが全部破壊されたり、自分が大事に保存していた(秘密にしていた)ファイルを世界各地にばらまいてしまいます。
ただ皆さんにとっては、近年ありとあらゆる会社や役所の機密情報を世界中に流出させているファイル交換ソフト「ウィニー(Winny)」「シェア(Share)」の方が馴染(なじ)み深いかも知れません。しかしこうした事件は、
--- という三つのことをしないかぎり、あなたは無関係。あなたにとっては、
- ファイル交換ソフトを使って、
- ファイル交換ソフトむけのウイルス(「Anntiny」など)に感染したファイルを(それとは知らずに)入手して、
- 実行する
--- という三つの経路の方が実は身近なのです。(流出した機密ファイル欲しさに、流出事件が起きてから「ウィニー」をインストールし、それで感染して「ミイラ取りがミイラになる」人もいるそうだが。)
- 感染した電子メールを開いてしまう
- ネットに接続しているだけで感染してしまう
- 友人からもらった、借りたUSBメモリやディスクが感染していた
ともあれ感染媒体がネットであれ外部記憶媒体であれ、世界のどこかで誰かが悪意を持って、あるいはちょっとしたイタズラ心で作ったものが回り回ってここにやってきているわけで、これに対抗するために、共用施設のコンピュータにはウイルス検知&駆除ソフト(ワクチンソフト)がインストールされています。しかし、利用者としても、以下の予防策“すべて”を心がけましょう。
- 共用施設内の掲示(ウイルス警報)に気を配る。
- 自分の(私用)パソコンにもワクチンソフトをインストールする。(そしてひんぱんにウイルス情報を更新して最新版のものにしておくこと。まあ2005年4月には、ワクチンソフトメーカー「トレンドマイクロ」の更新ファイルの設定ミスで世界中のパソコンが動かなくなるという事件もありましたが、やはり更新は重要です。)
- 自分の(私用)パソコンの基本ソフト(OS)の更新をおこなう(Windowsであれば、「Windows Update」ですね。)
- 他人からもらったファイルやメールはウイルスチェックをしてから開く。(これは病院で「院内感染」を防ぐために手洗いが励行されるのと同じことです。なお、ワクチンソフトがあるからと言って“過信”は禁物です。ワクチンは新種のウイルスには対応できませんから(『20世紀少年』ではその逆だったが)。
- 共用パソコンからウイルス警報が出たら操作を中止して直ちに管理者に通報する。
注意事項が多くて大変ですが、ウェブページを閲覧しているときでもウイルスには気をつけねばなりません。普通は上記のワクチンソフト任せで良いのですが、自分でクリックする「リンク」には要注意です。例えば、そこをクリックすると自動的にパソコン内部のファイルを破壊するソフトのダウンロードを始めてしまうような「リンク」をウェブページや電子掲示板への自分の投稿の中に設ける人がいます。
これを避けるには、「マウス」のポインタがリンクを指した時に閲覧ソフトの窓の下辺に表示されるURL(Uniform Resource Locator の略。ウェブページの所在と特徴をあらわす)の末尾にあるファイルの名称、特に末尾の3〜5文字 --- これを「拡張子」と言います --- に注意することです。
通常は下記のような意味を表す拡張子となっているはずです。
…….htm または …….html …….shtmlもし、リンク先のファイル名が「…….exe」、つまりEXEファイル(実行ファイル)の場合はクリックを避けましょう( execution には「死刑執行」の意もあるというのは一度は英和辞典で確認しておくように)。
(ウェブページのファイル:HTML)※「HyperText Markup Language」で書かれたファイルという意味です。…….jpg または …….jpeg
(画像ファイルの一種:JPEG)※「Joint Photographic Experts Group」形式のファイルという意味です。…….gif
(画像ファイルの一種:GIF)※「Graphics Interchange Format」形式のファイルという意味です。…….wav
(音声ファイルの一種:WAVE)※Windows標準の音声ファイルの形式です。…….mpg または …….mpeg
(動画ファイルの一種:MPEG)※「Motion Picture Experts Group」形式のファイルという意味です。そのMPEGというのは、「Group」とあるように、もともとは動画をどうやって符号化するかという方法について決める国際的な機関の名称だったのですが、そこで決めた符号化方法の名称にもなったということです。…….pdf
(統合文書ファイルの一種:PDF)※「Portable Document Format」形式のファイルという意味です。もし意図しない起動やダウンロードが始まった場合は、画面上のキャンセルボタンをクリックします。もしキャンセルボタンが無い場合は、緊急避難措置として、「強制終了」をします( Ctrl と Alt のキーを二つとも押しながら、Deleteキーを一回押して離す)。ただし、くれぐれもパソコン本体の電源を切らないように!
このほかリンクに関係する“詐欺”として、
リンク先のウェブページを、実在する銀行やメーカーのように偽装することで、利用者の個人情報を騙し取ろうとする電子メール“フィッシング詐欺メール” そのウェブページにアクセスしただけで利用料金を請求してくる通称“ワンクリック詐欺”
--- などなどがあります。論より証拠で、松本が体験した実例をウェブ版『検索マニュアル』(第三部番外編)に掲載していますので、必ず参照してください。また、ネット犯罪についての入門書を別ページ「倫理とマナー」にて紹介しました。
ということで、次は、以下のどれかに進んでください。中級テクニック
トラブルの対処法
倫理とマナー